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経営視点による情報活用戦略

経営視点による情報活用戦略(その13)~ミドルマネジメントへの情報支援~

 

ミドルマネジメントへの情報支援

 

企業の価値創造は従業員の活躍によって実現する。したがって従業員の活性化が企業のパフォーマンスに大きなインパクトをもたらす。ところで従業員の活性化はどのようにして可能だろうか?

 

従来型のマネジメントはアメとムチの使い分けでモチベーションをあげようとしてきた。しかしながら20世紀には通用して大きな成果を挙げてきたこの「ニンジンぶら下げ方式」は飛躍的に進化した心理学の世界ではすでに過去の遺産になってしまっている。

 

21世紀に登場したモチベーション理論は「統制と抑圧」から「自由と自律」への転換を勧めている。トップマネジメントは従業員に対するコントロールの機能を放棄し、もっぱらビジョンと戦略を提示することとコーチングの機能に徹することが求められている。

 

とはいえこれまでしっかりと「統制」され「抑圧」され続けてきた従業員をいきなり「自由と自律」の世界に投げ込むのは無理な相談だ。それでは組織が持たない。まずはトップマネジメントとボトムの従業員の間に挟まれて苦労してきたミドルマネジメントを、「統制と抑圧」のくびきから解放するのが順番ではないだろうか。ミドルのマネジメント・スタイルを自律型に転換し、ミドルが「自由と自律」に馴染むことを見届けておもむろにボトムの開放に取り掛かるのが得策である。

 

従って21世紀型のマネジメントへの転換においては、ミドルマネジメントの自主性と自律性が成功要因となる。簡単にいえばミドルマネジメント自身がトップの示したビジョンと戦略を前提に、自分の組織の置かれた環境を分析した上で、経営目標を設定し、目標達成のための戦略を練り、部下のモチベーションをあげ、ベクトルを合わせて実現していくという姿だ。これを図示すると第1図のようになる。

 

 

図1.jpgのサムネール画像

 こうした自律型のマネジメントにとっての必要十分条件は経営資源を活用する権限と情報が十二分に備わっていることだ。情報はミドルマネジメントが積極的に収集することも求められる。しかしながら社内情報は現状ではコンピュータによる情報の収集と加工を通じて使いきれないほどの量で日々生み出されている。そうした情報までミドルマネジメントが自ら求めないと提供されないという状況はあってはならないのだが、よくあることのようだ。つまり情報を使い勝手のよい形でミドルマネジメントに提供する情報支援はまだまだ発展途上であるといえる。

 

 従来の情報提供システムは「MIS」や「経営ダッシュボード」に見られるように、もっぱらトップマネジメントに対して、情報提供をすることを究極の目的として開発されてきた。したがってミドルマネジメントへの情報提供なぞは、はるか後方のシステム開発課題に過ぎなかった。とはいえ、トップマネジメントに対する情報提供システムが満足に稼動しているというはなしもあまり聞いたことがない。せいぜいトップを補佐する経営企画のスタッフに対して「何でもできるBIツール」などという触れ込みでシステムが提供されてきたのが関の山だった。

 いまやトップではなく、あるいはトップに向けてよりもむしろミドルに向けての情報提供こそが大事な、最優先の課題として浮かび上がってきているのだ。そのニーズは「何でもできる」からミドル自身が使いなさいというBIツールではなく(ミドルはそんなツールと戯れている時間的な余裕はまったくない!)、ミドルに対して必要なときに、必要な情報が手軽に提供されるツールが必要とされているのだ。

 

次回以降この情報支援のあるべき姿について見ていくが、次回はその前提としての戦略マネジメントシステムについて考えてみたい。

 

■     twitter:http://twitter.com/gyzmomzyg

■     中田康雄事務所:nakatayasuo.office@gmail.com

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