経営コックピット(その2)
グラフを使って直観的でスピーディな現状把握ができないものだろうかという問いに対する回答として開発された見せ方の一つをここでご紹介しよう。第16図がそれだ。
月別に商品カテゴリー別の売上高が棒グラフで表示されている。注目してほしいのはこの棒グラフが積み上げグラフになっていることだ。青、赤、緑の三種類の色わけで積み上げられている。赤は前年対比で売上高が減少している場合に、その減少額を表現している。従って青で表現された部分が今年の売上高に相当するということになる。そして緑は前年対比で売上高が増加している場合にその増加額を表現している。従ってこの場合は青と緑を合計した額が今年の売上高に相当するということになる。こうして前年との差額を色わけで表現することで、毎月の前年対比の状況が直観的に理解できる仕掛けになっているのだ。
もう一つの仕掛けはブルーの折れ線グラフに仕込まれている。この折れ線グラフは年間移動平均をプロットしたものだ。したがって折れ線グラフの2月の値が仮に1億円を示していたとすると、昨年の3月から今年の2月までの12ヶ月の平均売上高が1億円であることがわかるようになっている。折れ線グラフのどの月の値もその月までの年間移動平均を示しているということだ。年間移動平均をプロットすることによって、季節変動が排除されて、長期的な傾向が姿を現す仕掛けになっているというわけだ。
さらなる特徴は全商品の合計売上高の推移を真ん中のグラフで表示し、それを取り囲む形で商品カテゴリー別の売上高が表現されているということだ。つまりここでは全商品合計とその内訳が同時に見える化されている。
合計売上高を見ると4月から11月まで傾向的に売り上げが増加していることが見て取れる。そしてこの増加傾向を全く同じ形で描いているのはカーエレクトロニクスとアクセサリーとメンテナンスの売上高だ。つまりこの三つのカテゴリーが売上高合計の増加傾向の貢献度が高いことを意味している。
2009年に高速道路の土日無料化が実施されて、ETCの特需が発生した。カーエレクトロニクスの売り上げ増加はこのブームを反映している。アクセサリーやメンテナンスがこれと同様の変化をしているのは、ETCの購入に店舗を訪れたお客様が、その取り付け時間中の待ち時間中にお店に立ち寄っていただいて、ついでにアクセサリーをお買い求めいただいたり、車がETCの取り付けのためにピットに入ったときに整備員が車の何らかの不具合を発見してそのメンテナンスを奨められてたという仮説が成り立つ。こうしたお客様はたぶんオートバックスの新規のお客様に違いない。これらの新規のお客様をどれだけリピート客にできたかが問われることになる。
こうした状況が手に取るようにこのグラフから見えてくるのだ。第15図からは決して見えてこなかったことだとすれば、この表現フォーマットは優位性を持っていると考えて差し支えない。
次回以降この新フォーマットについて更なる深掘りをしていこう。
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