経営コックピット(その4)
グラフを使って直観的でスピーディな現状把握ができないものだろうかという問いに対する回答として開発された「経営コックピット」について解説を続けよう。なおこれからの説明に使われるグラフはすべて架空のデータに基づくものであることを予めお断りしておく。
まず始めのバリエーションは「合計と内訳の見える化」だ。これはすでに第16図で示したが、週次で展開されているフォーマットをお見せすると第19図のようになる。
第19図は合計売上高を取り扱い商品のカテゴリ別に展開した事例だ。売上高は通常はこうしたカテゴリー別の展開と、事業部とか支店、あるいは営業所とかの地域別の展開が行われる。第20図がその地域別の展開をしたものだ。
全社平均とか全社合計とかだけで状況把握をしていては片手落ちだ。現実は内訳で見たときに何らかのバラツキを伴って現れるものなのだ。このバラツキから学んだり、気づいたりすることが多いし、課題発見や解決策の発見はこのバラツキに着眼したときに大きな成果に結びつくものなのだ。したがって合計と内訳を同時に表現することは、実態把握の基本といえるのだ。
見える化の第二のバリエーションは細部の見える化だ。内訳のバラツキから気になるカテゴリーや地域が発見された時、該当するカテゴリーや地域の内訳のバラツキが次に気になってくるものだ。この要求にこたえられるように用意されたのが細部の見える化だ。ITの用語を使えばドリルダウンということになる。第21図がその様子を示している。
全社合計を構成するのは地域事業部だ。その内訳を見たときに北海道事業部の変化が他の事業部と大きく異なることに気付いたとする。その時北海道事業部の店舗別、あるいはカテゴリー別のバラツキを深堀できれば北海道事業部の変化の要因や変化の特色を理解することができるようになる。こうした要求に備えることが細部の見える化ということになる。
マネジメントの世界でも選択と集中が原理原則といえる。無数にある管理ポイントのすべてを細部にわたって管理することは労多くして功少なしだ。重点管理ポイントを絞って、管理のための時間や要員などの資源を集中投下することが必要なのだ。合計と内訳の見える化でお気付きになったと思われるが、「経営コックピット」では内訳は8つしか表示されないように仕組まれている。8個の重要事業部だけを集中的に管理すればいいという発想で設計されているわけだ。多分この8個のポイントで80%以上の状況把握がなされるということだ。
では仮に地域事業部が10個ある組織の場合はどうするか?10個の事業部に優先順位づけを施し、上位7個の重要事業部を選択し、他の3個の事業部は「その他」に括って、一括で表示すればいい。そして必要なら「その他」で括られた事業部の内訳もこの細部の見える化の方法を使えば見えてくるという救済方法も用意されうることになるわけだ。
次回、見える化のバリエーションはいよいよ佳境に入る。
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