経営コックピット(その5)
グラフを使って直観的でスピーディな現状把握ができないものだろうかという問いに対する回答として開発された「経営コックピット」について解説を続けよう。
今回は因果関係の見える化について説明しよう。第22図を参照していただきたい。
小売業の売上高を因数分解すると第22図のようになる。これが売上高を巡る基本的な因果関係になる。このような因数分解はカイゼン手法として活用されている「なぜなぜ分析」を応用して導くことができる。
売上高はなぜ増加しないのか?レジ客数が減少しているから?レジ客数はなぜ減少したのか?来店客数が減少したから?それとも来店客のうちお買い上げしていただくお客様の比率が減ってしまったから?
同様の手順でなぜなぜ分析は真因にたどり着くまで展開される。通常はなぜを5回繰り返して真因にたどり着くと言われている。参考までに売上高の因数分解を真因にたどり着くほどまでに展開を行った事例が第23図だ。
このようにして解き明かされた因果関係の因子をKPIとして測定し,週次でPDCAを回すために設計されたのが因果関係の見える化だ。第22図に示された因果関係を見える化したのが第24図のグラフだ。売上高を取り囲む形で売上高の要因となるKPIが配置されている。これを見るだけで売上高の増減の要因がはっきりとした形で浮かび上がってくるのを目にすることができる。
同様にBSCの四つの視点を見える化することも同様の手法で可能になる。四つの視点は相互に因果関係にあることをBSCの解説のところで確認した。したがって四つの視点のKPIやKGIの変化を同時に視野に入れることによって戦略の実現状況についての精度の高い実態把握が可能になる。BSC準拠の因果関係の見える化のモデルを第25図に示しておこう。第11図に示したバランススコアカードに準拠して主要なKPI、KGIを配置して戦略実現状況の因果関係を示す構成になっている。
次回は経営の見える化の極めつけ、前年対比と計画対比の同時見える化について解説しよう。
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