今回からIT人材のキャリアデザインやスキルアップを助けるツールとして、ITSSやUISSなど「スキル標準」に少しづつ触れていきます。
「ITスキル標準(ITSS)」がリリースされたのは2002年12月ですが、その内容は、ITサービスを提供する側の考え方を元に構成されています。その当時ユーザー企業の方とお話しすると、「それはITベンダ側のルール作りでしょう。早くいい物にして効率的にしてください」という意見がほとんどで、定義内容を反映してか、まるで傍観者という雰囲気がありました。
ところが最近は、ユーザー企業が抱えている悩みという側面から「スキル標準」に注目が集まりつつあります。昨年6月にユーザー企業版スキル標準である「UISS」がリリースされたことも大きく影響を与えているようです。
多くのユーザー企業と会話をしてみると、以下のよう状況が浮き彫りになります。
- ●IT部門は、経営者からすると「戦略部門」という位置づけで期待が大きいが、実態はそうなっていない
- ●その原因は、以下のように考えられる
-他の現場部門から見て、単なるインフラ管理部門という認識になってしまっている
-アウトソーシングの推進で、ITベンダにかなりの部分を任せていて、IT部門は人員も少なく、スキルの空洞化がおきている
-本来ならユーザ企業が自社で実現すべき要求(発注したい内容)をまとめて提案依頼するための資料RFP(Request For Proposal)までベンダ任せで、さらに提案された金額を予算化しているケースもある
- ●IT部門のメンバに、情報システムが自社のビジネスと直結しているという実感がない
希望してIT部門に属していない場合も多いことから、キャリアパスをデザインしにくく、
今の仕事を自分の将来に結びつけるのが難しい
したがって、仕事に対するモチベーションが上がらない
多くのユーザー企業がこのような問題を抱え、いかに経営戦略に合った「IT戦略」を立案、遂行していくか、ということを命題として真剣に捉えています。
一方で、IT部門メンバのモチベーションをどのように上げ、最大限のパフォーマンスを引き出していくか、それを個人のキャリアデザインにどう結びつけていくか、ということも重要です。
また、上司と部下の共通理解を促すコミュニケーションも現実的で大切な課題となっています。「スキル標準」は、IT人材のキャリアデザインやモチベーション向上に有効な仕組みとしても注目されています。
〜その3につづく
次回はITSSやUISSなど「スキル標準」の内容を分かりやすく説明していきます。






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