UISS活用の考え方
ITSS は、主たる利用者としてITサービス企業を想定しているため、その枠組みは「顧客にサービスを提供する」という視点で整備されています。つまり、「職種の最上位レベル」も「顧客向けサービスを担当する現場のトップ」であり、経営層の役割についての定義や、そこに至るためのパスは用意されていません。
それに対してUISSは、経営戦略をIT戦略として企画立案する機能、情報システム部門からビジネス部門やその先のエンドユーザを支援するためのシステム構築・運用・維持・改善の機能までが網羅的に定義されています。
現場の担当者からCIOクラスの役割までカバーされているのです。
企業ごとの独自性を重んじているのも、UISSの大きな特徴です。これは、利用者が「IT業界という単一の業界に属する企業」ではなく、「複数の業界に属するユーザ企業」であることを考慮しているためです。
そのため、UISSでは「自社で保有するITスキルを他社と比較する」といったようなことは想定されておらず、純粋にIT戦略実現のための人材育成に焦点が当てられています。
つまり、UISSは、企業がおのおのの事情に合わせたかたちでIT人材戦略を練るための「素材」と「活用方法」を提供するものであり、まずはユーザ企業自身がIT戦略を円滑に進めるための「タスク(機能)」と「スキルセット」を定義し、それらを「人材像(役割)」ごとに組み立ているという手順を示しています。
UISSの提供モデル
先回の〜その2では「タスクフレームワーク」のみを取り上げましたが、UISSからは次の7種類の参照モデルが提供されています。
1.タスクフレームワーク
業務機能を図で表現し、UISSの対象範囲となる「IS(情報システム)機能」を示したもの。
2.タスク概要
各「IS機能」の業務概要を示したもの。
3.機能・役割定義
業務を詳細化し、その実施に必要なスキル・知識を整理したもの。
4.研修ロードマップ
スキルや知識の修得を目的とした研修コースを体系化したもの。
5.人材像とタスクの関連
想定される人材像とその人材像が遂行するタスクの 関連を示したもの。
6.人材像定義
各人材像のミッションと担当する業務を示したもの。
7.キャリアフレームワーク
人材像ごとのレベルを一覧化したもの。
UISSの全体を表現しているタスクフレームワークは、ユーザ企業における情報システムの企画・開発・運用に必要な業務機能を、経営的観点から体系的に整理したものです。
UISSが提示する業務範囲を明確にするために、情報システム以外の業務機能も提示されています。これにより、事業と情報システムが一体となって進められていくことを表現しています。
タスクフレームワークでは、事業戦略・情報システム戦略を起点とした「大きなPDCAサイクル」と、情報システム戦略で定義された個別案件(プロジェクト)単位の「小さなPDCAサイクル」を意識しています。これは、それぞれが目指していた成果を得られたかどうかを正確に評価し、次の戦略や導入したシステムの改良に的確にフィードバックすることを重要視しているからです。
〜その4につづく






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