UISS導入プロセス(下図)の特徴は、活用についての手順として必要なスキルを求めるところから入るのではなく、企業戦略にのっとってあるべき機能を定義するところから入るというものです。
前回まででも述べたように、UISSではユーザ企業のIT部門として必要な機能を網羅的に定義してあり、そこからUISSを活用する各企業の戦略やビジネスモデルを基に、必要なものを選択してくるという方式になっています。選択した機能に必要なスキル定義がサブセットとして提供されていますので、機能を選択するだけでスキルセットの基本形ができるという考え方です。活用側に軸足を置いた効果的な考え方で、企業戦略から入るという理想的なトップダウンでの策定手法と言えるでしょう。
この方法で進めると、どこのものでもない自社の目的にあった活用環境が構築できることになります。一から考えて作り出すことは大変困難ですが、UISS提供物をうまく使いこなせば、効率的・効果的にUISS導入が果たせ、企業戦略に合った人材育成のしくみが構築できるのです。
UISSは、次のような観点で具体的に活用できることになります。
●組織力強化のための利用
組織の持つべき機能・役割の可視化、および組織設計。
インソース、アウトソースの役割分担の明確化。
業務機能を把握し、生産性や業務品質の向上に向けた人材育成の検討に活用。
●企業戦略実現に向けた効果的な投資の実施
優先順位の明確化、投資効果の把握、及びシステム発注時のRFP策定やITベンダからの提案の評価際に利用。
●プロジェクトアサインの効率化
●自社目標と現状にあった育成計画の立案
メンバの現状スキルの把握、強化すべきポイントの把握をし、育成計画を検討するうえでの指標とする。
●キャリアパスの明確化
目標とするキャリアを実現するために、どのようなスキル開発が必要になるかの明確化、およびキャリアチェンジ を図る際の参照モデルとして利用。
UISS機能・役割定義
現在のUISSの内容は、システム開発工程辺りの部分にまでスキル定義がブレークダウンされておらず、ITSS参照となっています。したがって UISSを企業で活用するには、ITSSをうまく併用しながら進める必要がありますが、近い将来UISS側でユーザ視点での策定を期待できるでしょう。
人材育成の仕組みを構築する上での重要な要素は、仕事をするためのスキル(ITスキルなど専門能力)+コンピテンシー(ヒューマンスキル、コンセプチュアル)となり、そして成果の評価指標、及びPDCAプロセスのデザインになります。
こ の中の仕事をするための専門能力が、UISSで定義されています。さらにそのスキルは、UISSの提供物である標準機能にサブセットとして紐付いていま す。この機能群(UISSではタスクと呼ばれている)と、それぞれにサブセットとして用意されるスキル群が、UISSの基本コンポーネントなのです。
ただし、仕事をするためのスキルを持っているだけでは成果を出すことはできません。そのスキルを生かすためのヒューマンスキルやコンセプチュアルスキル、 つまりコンピテンシーと呼ばれている能力が必要です。遂行する能力であるコンピテンシーは、UISSの対象外となっています。これは、企業の特色を持った ものになるので、あえて共通化しないという方針になっています。ただ、筆者の考えでは、実行力も企業の特色を出さなければならないものと、共通化できるも のの2種類があり、今後共通化できる部分について、取り組んでいくことに意味はあると考えています。
〜その5に続く
UISSから提供されている機能群とスキルのサブセットを、どのように活用していくかを具体的に説明していきます。






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