これまで説明してきた「要求分析」、そこから生み出された「要求モデル」、さらにそれを踏まえて「機能分析」から構築されたTo Be機能モデル、及びその作成プロセスの重要さを認識する必要があります。
「人材モデルを構成するスキル」について話を進めましょう。
まず知識とスキルの違いは次の通りです。
●知識
仕事でパフォーマンスを発揮するための前提
●スキル
知識を使って仕事などでパフォーマンスを発揮する能力
ただし、応用力が利く能力(利かない能力はテクニック)
さらにスキルは、次のスキル構造に分類されます。
●専門能力(テクニカルスキル)
仕事をする上で前提として持っていないといけないスキル
●ヒューマンスキル (人間理解能力)
仕事で成果を出すための実行力
●コンセプチュアルスキル (概念化能力)
他者のレベルに合わせて物事を概念化・抽象化するスキル
一般的には、コンセプチュアルスキルとヒューマンスキルをひとまとめにしてコンピテンシーと呼ばれています。
IT系の場合、ITスキルが専門能力に当たります。また、概念化能力を分かりやすく説明すると、例えば仕事を部下に指示する場合と、家に帰って何も知らない家族にその内容を話すのとでは全く異なり、分かりやすい内容にしたり、例え話など用意することになります。このように相手のレベルに合わせて、内容が分かるように概念化する能力をコンセプチュアルスキルと言います。有名なカッツ教授の理論です。
専門能力やコンセプチュアルスキルは、あくまで仕事をするための前提スキルと言えますが、ヒューマンスキルは、それらを使って実行し成果を出すためのスキルと位置づけることができるでしょう。
しかし、UISS、ITSSでは、コンピテンシーは企業色に深く依存するもので、企業独自での追加を前提としており、双方とも対象外とすると定義されています。これは、ともに参照モデルであるために、共通化できるスキルのみを定義してあるということです。よってコンピテンシーは、「人材モデル」を策定する側の責任で追加していく必要があります。共通化されたスキルだけを使って自社の「人材モデル」を策定するのは不可能だといえるでしょう。
多くのITサービス企業がITSSをうまく利活用できないというのは、この部分の理解不足がひとつの原因だと推測されます。
自社の人材モデルを策定するには、ビジネスモデル、経営目標などが基本だし、独自に追加しなくてはならないものに、コンピテンシー(コンセプチュアルスキル、ヒューマンスキル)、業界スキル、業務スキルなどがあります。






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