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IT人材育成とCIOの役割

情報システム部門/情報システム子会社の役割分担を明確にする

 

情報システム部門が、ビジネス部門の要求することだけをこなす下請けのような位置づけであれば、インフラとアプリケーションの管理がメインミッションになり、コストセンターとみなされ業務の多くがアウトソーシングの対象になるなど、存在自体が問われることにもなりかねません。
 情報システム部門を単なるコストセンターではなく、戦略部門として確立させるには、人材戦略、特にIT人材の育成を推進することが重要です。
 そのためには、ビジネス部門や情報システム子会社、またITサービス企業との関係も含めて、情報システム部門が担うべき役割と分担を明確にする必要があります。
 
情報システム子会社との役割分担
 
 情報システム部門としての価値を高めていくには、自らの役割だけではなく、情報システム子会社との関係や役割分担も明確にすることが求められる状況にあります。
 何故なら昨今の情勢から、経営者からのコスト削減の圧力が強まっていることや、J-SOXの施行で、グループ全体を視野に入れた内部統制が求められていることなどから、当初期待していた情報システム子会社化の効果が見えにくくなってしまうという状況も散見されるからです。
 情報システム部門が既存の人事制度と合わないことや機能分担を目的として、情報システム部門を本体から切り離し、多くの情報システム子会社情報が誕生してきたという経緯があります。
 しかし、情報システム子会社に自立を促せば促すほど、親会社との取引きであっても、目先の利益を優先して、それほど効果的でないことを提案してしまうなどの可能性も否定できません。自主性を尊重した結果、親会社から子会社の利益やコストの構造が見えにくくなるという問題もあります。
 
機能的役割分担の重要性
 
 情報システム部門を戦略的位置づけにするためのキーワードは、「組織力強化」、「役割分担の明確化と適材適所の実現」、「必要な人材を育成するための効率的な投資」などということが挙げられます。
 
 大規模システム開発やその日々の運用、またメンテナンスなど目の前の仕事に追われ、今迄これらの課題を考える余裕が無かったことは否めません。役割分担や作業の効率化など課題もあるものの、責任者でさえ手を出しにくい領域になっていた感があります。
 
 ところが、この景況悪化によって人員数は現状維持どころか減らす方向になり、なおかつより以上のコスト削減も求められることになってきました。
 その中でも、仕事の量は減らないという状況で、よりいっそうの効率化が求められるわけです。
 
 そうすると、「メンバの仕事を遂行するための能力はどうか」、「役割分担は適切か」、また「適材適所の組織体制になっているか」などの具体的な内容に話が及んでくることになります。
 企業は、目的があいまいなまま個人の能力向上を望むわけはなく、まず組織機能に着目するのは自然な流れです。その中で、自部門だけではなく、情報システム子会社やITベンダとの住み分けも、機能単位に明確にすることが必須です。
 
 ロジックツリーの手法の一つに、目的/手段の関係で階層化していくものがありますが、この場合最上位に「組織力強化」を据えると、それ以外の必要組織機能の明確化、役割分担、適材適所、個人の能力アップやモチベーション向上などは、下位の手段として位置付きます。
 
 つまり、スキル標準の企業活用の最大の目的は組織力向上であり、To Beの自社組織機能を策定できない限り、登場してくる様々な課題を解決することはできないということです。
 言い換えると、人材や必要スキルをベースに考えても、組織力を向上するには、かなり遠回りどころか、混迷を招いてしまうマイナス要因になりうるということです。
 
 人材に関しては重要ではありますが、企業で活用するのですから、「人材」を最初に考えるのではなく、「企業力や組織力」の強化・向上を第一に考えるということを、十分に認識する必要があります。
 
 情報システム部門の人材育成は、情報システム部門としてビジネス部門の戦略パートナーを目指す取り組みでもあります。そのためにも、UISSなどスキル標準を活用し、現状の機能やスキルがどの段階にあるかを明確にし、ゴールと現在の立ち位置を認識することが重要です。

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