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IT人材育成とCIOの役割

企業戦略を基に「人材体系」を構築し、戦略的人材育成計画を立案・実施する その2

 

「その1」は、企業における人材体系構築の第一歩として、どうありたいか、どうなるのが目的か、を明らかにするための方法として「要求モデル」について説明しました。
 今回は、少し先を見てみましょう。
人材体系を構築していくことは大切ですが、どのように活用するのかをイメージとして持っておくことが重要です。

 このことに限らず何でもそうですが、ゴールを決めずにやみくもに積み上げていっても、拡散するばかりなので、ある程度具体的な着地点の設定や、どのような活用形態になるかを明らかにしておいて、それを目指して進むという考え方です。

 

組織視点と個人視点

 「要求モデル」は、組織として、もしくは企業として何を目指すかをロジックツリー(目的/手段)で表したものです。

 

Object_Model_Part.jpg
 

 

 

 

  この要求モデルでは、ユーザー部門をあえて「顧客」と呼び、情報システム部門は「顧客の戦略パートナーになる」ということを、一番の目的に掲げているということです。そのための手段が右に展開されていますが、そのひとつとして、安定したシステムの提供を挙げています。さらに、それを目的とするなら、手段としてビジネス視点のサポートサービスなどがあるということです。

 つまり、この要求モデルは、情報システム部門として今後どのようにあらねばならないかの要件を、ツリー化したものなのです。
 CIOや情報システム部門の責任者から、一般部門員まで理解できる優れたモデルです。
 個人がどうなりたいかではなくて、組織として何を目指すかという視点です。企業に人材体系や育成の仕組みを構築して活用するわけですから、個人の視点だけでは、話が成り立ちません。

 スキル標準活用や人材育成の推進担当、責任者の方が、「うちは社員のスキルアップのためにやっているんだ」と言われることがあります。これは手段であって、本来の目的は企業の「ビジネス目標達成」と、そのための「組織力向上」のはずです。

 社員の一人ひとりに納得してもらって進めることが大事なのですが、「本人のスキルアップのため」というのでは、いかにも説明不足と言わざるを得ません。企業として人材の育成に投資するのですから、企業視点のシナリオなしでは、社員だけではなく経営層にも納得してもらえないことになります。

 それを理解していない人材開発・育成の責任者や担当者の方はいないはずですが、ではしっかりと説明できるかというと、必ずしもそうで無い場合が多いのが、現実だと言えるでしょう。まるで物づくりのように、仕組みや制度だけを用意することに力を注ぎ、肝心のどう活用するかということが検討不足で、ストーリーの描けていない状態のまま進めてしまっているということです。

 企業戦略や事業計画を基にした人材体系、また人材モデル、そして育成のためにそれらをどのように活用するかの具体的プロセスが、統合された仕組みとして成り立っていないと、他者にうまく説明できないのです。
 考えや仕組みを浸透させるには、説明できるものを用意して、社員にしっかりと理解させることが必要です。

 以上のことを解決する第一歩として、要求モデルによって将来像の要件をまとめるということであり、仕組みの浸透・継続には欠かせない唯一無二の方法です。あとの作業に続けるためにも、避けては通れない重要なポイントになるということです。

 

 ~その3につづく

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