ウルトラバナー横テキストバナー

HOME > BLOGS > IT人材育成とCIOの役割 (高橋 秀典) > 人材育成の仕組みづくりのベストプラクティス ~6月23日セミ...

IT人材育成とCIOの役割

人材育成の仕組みづくりのベストプラクティス ~6月23日セミナーよりレポート

 

6月3日に、IPAからUISS版とITSS版の導入活用事例集が、それぞれ発行になりました。
 正式な事例集として初めての刊行となり、これでようやく躊躇していた企業が、一歩踏み出すための材料が揃ったわけです。
 初めての事例集なのですが、内容としては幅広く色々なタイプの事例が掲載されており、読み応え十分なものになっています。

 

 

UISS_Jireishu.JPG

                                                         IPA発行 UISS導入活用事例集

 

 ここではUISS版だけ紹介しますが、構成は次のようになっており、10社の有名企業が顔を揃えています。

 

 関西電力株式会社、住宅金融支援機構、プロミス株式会社、株式会社ベネッセコーポレーション/株式会社シンフォーム、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社の各社は、弊社がコンサルテーションを手がけました。
 

はじめに
第1章 各社の事例の要約
第2章 各社事例
 1.株式会社あいおい保険システムズ
 2.関西電力株式会社
 3.株式会社神戸製鋼
 4.国分株式会社
 5.独立行政法人 住宅金融支援機構
 6.全日本空輸株式会社
 7.日産自動車株式会社
 8.プロミス株式会社
 9.株式会社ベネッセコーポレーション/株式会社シンフォーム
 10.三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
付録

 特筆すべきは、付録として「目的・効果一覧表」や「工程別ヒント一覧表」が収録されていることです。

<目的・効果の分類>
・組織設計
 人材リソース可視化
 最適配置・ローテーション
 採用計画の作成
・IS機能の明確化
 コアタスクの明確化
 組織として必要なスキルの明確化
 子会社との役割認識
・人材育成
 個人スキルの可視化
 キャリアパスの可視化
 育成計画・ロードマップの策定
 研修カリキュラムの見直し
 ローテーションの促進(育成視点)
 モチベーションの向上
・属人化リスクの排除
 

<工程別ヒントの分類>
・導入・活用前
 導入目的の理解
 UISSの理解
 部分活用
 導入推進者、現場の負担を減らす
・要求分析
 経営課題を機能要求に落とす
・機能分析
 あるべき姿を描く
・スキルモデル構築
 スキル定義実施
・人材像策定
 あるべき人材像を描く
・現状分析・ギャップ分析
 スキル診断
・人材育成計画策定
 研修ロードマップの活用
 個人育成計画
・人材育成計画実施/評価/改善
 達成度の診断
・その他
 PDCAを廻すためのツール

 

 ユーザー企業が直面する課題に対して細かく分類し、一目で確認できるように工夫されています。

 

事例集掲載企業のセミナー

 事例集に掲載されている企業が講演するイベントが、スキル標準ユーザー協会/日本情報システム・ユーザー協会の共催で実施されました。募集して200名の席が数日で満杯になるという盛況振りでした。

2010年6月23日(水) 13時00分~17時00分 アイビーホール(青山会館)
【基調講演】
「岐路の立つIT人材 変革期こそ飛躍のチャンス」
     独立行政法人 情報処理推進機構
     IT人材育成本部 ITスキル標準センター
     グループリーダー 島田 高司氏

 

【ITSS導入企業事例講演】
「人事制度へのITSS活用(仮)」
     キーウェアソリューションズ株式会社
     人材開発室 人事労務担当マネージャ 山村 富教氏

 

【UISS導入企業事例講演】
「スキル診断はみんなのために」
 ~成長を実感させ、モチベーションを高める運用とは~
     三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
     システム総括部 内部統制課長 遠藤 修氏

 ITSSの事例については別の機会に譲るとして、ユーザー企業のIT部門、及び情報子会社におけるIT人材の成長戦略について、熱く話された三菱UFJモルガン・スタンレー証券の遠藤氏の講演を取り上げてみます。

 

課題認識

 当初の課題認識は、次の通りです。

・ベンダーへの依存度が増し、情報システム部門本体の技術力が一部空洞化の恐れ
・業務の属人化によるリスクの潜在化
・中核人材の世代交代が進まず、技術・知恵の継承が困難
・人材の機動的な再配置が困難
・情報システム子会社との機能分担が不明確

 合併を繰り返してきたこともあり、仕事や組織は縦割りになっており、変化に対応するには各エリアごとに人数を増やさざるを得ないということになっています。

 推進責任者の遠藤氏は、この現象を「タコツボ化」と呼んでいて、コンサルに入った我々は、その表現の妙に感心したものでした。

 遠藤氏は、合併当時は縦割りであろうが何であろうが、仕事を停滞させないために、組織として横に並べるしかなかったが、将来を考えるとこのままでは立ち行かなくなる、という危機感を持っていました。  
 

取組みスタート
  誰がどんなことができるかというよりも、組織力を向上させることが第一の考えであったことから、ITSSのように職種や人材ではなく、組織機能を中心に定義しているUISSの選択に至ったことは必然と言えます。

 UISSをベースとして取り組みの基本方針が次のように定められました。

 「まずは、情報システム部門の果たすべき"ミッション"と"執行単位"を意識した 『ユニット』概念を導入し、ユニットごとに具備すべき『機能』、機能実行のために必要な個々の『スキル』の順で考える。
 個々の要員が持つ『スキル』を"見える化"し、『機能』⇒『ユニット』における具備の度合いをマップ化する。 再配置、育成等の手段を用い、『スキル』を強化することで『ユニット』が機能する体制へ。

 つまり、ITSSで定義されているITスペシャリストやITアーキテクトなど、人材を表現するようなものでは到底ピンとこない。人材表現では「誰が」という意識にになってしまい、本来の組織力強化ということにつながりにくい。あえて人材にとらわれず組織機能を中心に組み立てていく、という考えです。

 UISSの構成や活用プロセスに合致した考えであったため作業はスムーズに進み、組織機能で表現した「タスクフレームワーク」に、各要員のスキルが映し出され、見事に組織力が見える化されています。

 

Task_Faramework.JPGのサムネール画像

          タスクフレームワーク ~戦略スキル管理ツール「SSI-UISS」

 

 スキル標準ユーザー協会の戦略スキル管理ツール「SSI-UISS」を気に入ってお使いです。このツールの機能のひとつに、上の画面のように組織機能上での現状(As Is)のスキル分布を表現することができます。人材のレベルいくつが何人というものではなく、組織力の表現としてはるかに優れたものになっています。この形ならば、経営戦略や事業計画を基に、あるべき姿、To Beを設定することも分かり易く理にかなっています。 そうすると本来のAs Is/To Beのギャップが明らかになり、精度の高いリソース戦略が立案できることになります。

 

 ITスキルだけではなく成果を出す能力も含めてコンピテンシーとして大きく捉えていますが、遠藤氏は今後の課題として、いかにそれを自社に合ったもの、社員が腹に落ちるものとなるよう、改善のPDCAを廻すことを強調して、1時間の講演を終えられました。

go_to_top

ページの先頭へ戻る