以前から何度か人材像について述べてきました。とりわけ「企業が必要とする人材像」をどのように策定、見える化するかは、企業戦略を考える上でも大変重要なことだと言えます。
人材像の構成
人材像は企業戦略やビジネスモデルに合わせて作りこむものですが、IT人材像策定時の重要な要素となるITスキル定義は、UISSやITSSなどのスキル標準として提供されているコンテンツを、できるだけ有効に活用することを考える必要があります。
また、策定する場合、人材像から出発するのではなく、企業が遂行すべき「タスク」から入る必要があることは、言うまでもありません。(2009年4月ブログ参照:組織力アップにはスキル標準(UISS、ITSS)の採用!そしてスキル標準の企業活用にはTo Be組織機能策定が先決!)
筆者がコンサルティングを進めて行く中で、必ず課題として出て来るのが、一般的には総称して「コンピテンシー」と呼ばれる「ヒューマンスキル」や「コンセプチュアルスキル」を、どう扱っていくかということです。
UISSやITSSでは、コンピテンシーは定義対象外であると明らかにされていますが、企業で必要な「人材像」を策定する場合、UISSやITSSで定義されている専門スキルだけではなく、コンピテンシー系のスキルも必要になってきます。
スキルは次の構造に分類されます。
・専門能力
仕事をする上で前提として持っていないといけないスキル
・ヒューマンスキル(人間理解能力)
仕事で成果を出すための実行力
・コンセプチュアルスキル(概念化能力)
他者のレベルに合わせて物事を概念化・抽象化するスキル
UISSやITSSで定義されているスキルが、専門能力に当たるでしょう。また、専門能力やコンセプチュアルスキルは、あくまで仕事をするための前提スキルですが、ヒューマンスキルはそれらを使って実行し成果を出すためのスキルと位置づけることができます。
この有名なカッツ教授の関係図は、企業での役割と3つの能力の関係を示したものです。これを見ても実行力であるヒューマンスキルは大変重要で、役割に関係なく同じ割合で存在することが分かります。それに対し、経営層に近づくにつれ専門能力の割合は減り、逆にコンセプチュアルスキルの割合は増えて行きます。
UISS、ITSSともに参照モデルであるために、共通化できるスキルのみを専門能力として定義してあるので、そのままの形では使えないことが多いですが、ベースとして使えば、かなりの効果が期待できます。
対してコンピテンシーは、人材像を策定する側の責任で、独自に追加していく必要があります。専門能力だけ定義しても人材像にはなりえません。多くの企業が目標とする人材像と人材調達を取り違えている、または別視点であることを認識できていないのは、この部分の理解不足が原因でしょう。
自社の人材像を策定するには、ビジネスモデル、経営目標などを基にすることが、重要であることと、スキルとして追加しなくてはならないものに、コンピテンシー、業界スキル、業務スキルなどがあるということを、十分認識して進める必要があります。
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ITスキル定義項目は、誰が見ても同じ内容で理解ができないとまずいと考えています。ですから、1つの定義を「知識あり~指導できる」などの段階で表現するなどの共通化が可能です。
一方、コンピテンシー系の表現は、企業独自の視点が大変重要で、企業におけるモデルとしては、ここでしか特色を持った表現ができないのです。
特色を出すべき「肝」の部分は共通化してはならない、ということです。それにあった表現を独自に作り出すべきです。
企業の目標とする人材像を策定していく上で、大別するとロジカルに考え組み立てていくのが、ITスキル定義、一方特色や独自性を出していくのがコンピテンシーと考えられます。
ただし、あるべき人材像を定義できたとしても、社員をどのように育成すればいいのかが、かなりの難問として立ちはだかっているというのが現実です。To BeとAs Isのギャップから育成計画をたてる・・・。口で言うほど簡単ではありません。
次回は、育成戦略の考え方について掘り下げていきます。
~その2につづく






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