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IT人材育成とCIOの役割

IPAが提供する「深化した共通キャリア・スキルフレームワーク」の考え方

 昨年の後半はIPAとともに、共通キャリア・スキルフレームワーク(CCSF)地方講演を続けてきました。その集大成は12月1日・目黒雅叙園での「スキル標準ユーザーズ・カンファレンス2012」でした。
 この中で、私が講演した「スキル標準最大有効活用法」と題した90分のセッションは、このフレームワークを使った本格的導入手法の解説で、400名の会場で立ち見が出るほどの盛況でした。今回のコラムは、このフレームワークについて話を進めます。
   

CCSFの構成とコンセプト 

 図のように、CCSFは3つのモデルで構成されています。

  

 これは、既存の3つのスキル標準(ITSS、UISS、ETSS)を、3つのモデルでくくったもので、構成や考え方の異なる3つのスキル標準を、有効活用するために考案されたものです。

 CCSFのコンセプトは次の通りです。

・今まで個別にスキル標準を使っていた企業には、直接の影響を与えない
 3つのスキル標準はCCSFが出ても併存する形となります。
・これから導入活用する企業はCCSFだけを対象にすればよい
 3つのスキル標準を個別に理解する必要はなく、CCSFのみの理解で、3つのスキル標準の必要な部分を、自由に使いこなせる。
・今まで個別のスキル標準を使っていた企業は、CCSFで現状の検証、改善ができる
 たとえば、ITSSを活用していた企業も、CCSFで現状の有効性の検証や、さらに合ったものにするための改善活動が容易になります。

  

CCSFのアーキテクチャ

CCSFのアーキテクチャを図のERモデルで表しています。

  

   

 タスク(ファンクション)の組み立て方を企業で考えることによって、その企業自体の考え方やビジネスモデルを表現することができます。
  
 人材像は、その組み立てられた自社タスクを、役割分担したものと考えます。
  
 スキルモデルとしてタスクごとにスキルセットが用意されているので、企業独自に組み立てても、提供されたコンテンツを有効に使えることになります。今後、これがスキルディクショナリとして共通化されていくことになるでしょう。

    

将来性を十分に考慮したCCSF

 以前は、職種や人材像のレベルに情報処理試験がマップされていましたが、そのやり方では激しく変わる環境や急速に進歩するIT技術に追いつくことができません。そのたびにクラウド人材など新しい職種を作れと騒ぐ人が出てきます。
  
 根本的に分かっていない近視眼的な考えではなく、自由に組み立てるにはどうするかを考えるべきだ、ということです。
  
 もちろん前提は企業導入であり、だからこそタスクを組み立てるという方法が成り立つのです。企業ごとにビジネスモデルや事業戦略が異なる、そのビジネス目標達成に貢献する人材を育成する計画でなければ意味がないということです。
  
 CCSFのアーキテクチャは、それを解決するためのものであり、だからこそタスクが軸となっているのです。
  
 情報処理試験がタスクに結びついているのも、企業独自のタスクにかかわらず、人材育成に有効活用できるようにと考えられてあるのです。
   
 使う側の利点だけではありません。いままで各スキル標準のメンテナンスには多くの時間やコストがかかってきました。それをCCSFでまとめることにより、一本化した改善・改訂ができるのです。同じく、情報処理技術者試験も論理的に組み立てることができます。
   
 何かが変わったからすべてを見直さなければならない―、ようやくその呪縛から脱することができそうです。

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