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RESEARCH

仮想化とクラウド・コンピューティングに携わる人材の2011年の採用動向

2011/03/31

あなたが仮想化やクラウドのスキルの持ち主なら、今、多くの企業から引っ張りだこだ。ただし、IT人材の中で真っ先に採用されるのは、あなたではないかもしれない。

ケビン・フォーガティ ● text by Kevin Fogarty

 米国ガートナーや米国IDCなどの市場調査を基に、「クラウド・コンピューティングはそれ自体が1つの産業になろうとしている」といった楽観的な見通しが数多く出ている。だが、新しい技術に対する企業の関心の実態を示す指標としては、支出額に勝るものはない。

 そして人材採用には、給与コストに加えて福利厚生、オフィス・スペース、電力、出張、研修などのコストも伴うことから、特定のスキルを持つ人材の採用計画ほど、企業の方針を如実に物語るものはないと、ハイブリッド・クラウド・サービスを提供するバータコアのCEO、トム・キブリン氏は語る。

 IT職専門求人サイトのダイス・ドットコムでは、クラウド・コンピューティングに特化した常勤のIT担当者の求人広告掲載件数が、2009年11月から2010年11月までの1年間で3.4倍に増加した。このことは、クラウド・コンピューティングのスキルへの需要がいかに急速に拡大しているかをよく示していると言えるだろう。

 ダイス・ドットコムに2009年11月に掲載された「クラウド・コンピューティング・アーキテクト」や「クラウド担当テクニカル・リーダー」といった肩書きの仕事の求人広告件数は、わずか378件だったが、その1年後には1,300件に急増している。

 また、ダイス・ドットコムでは、クラウド・コンピューティングの基盤技術の1つであり、市場ではるかに普及しているサーバ仮想化を担当する仕事の求人広告掲載件数も、2009年11月から2010年11月までの間に78%増加した。これは、ダイス・ドットコムにおけるこの間のIT職全体の求人広告掲載件数の伸び率(40%)の2倍近くに当たると、同サイトのアナリストは述べている。

 IT人材市場は全体として、最後に活況を呈した2008年第4四半期の求人水準へと回復し始めたばかりだと、ロバート・ハーフ・テクノロジーのエグゼクティブ・ディレクター、ジョン・リード氏は語る。同社は、専門職に特化した人材会社であるロバート・ハーフ・インターナショナルのIT人材部門で、四半期ごとにIT職の採用動向調査を発表している。

 仮想化とクラウド・コンピューティングは、最も求められているスキルの部類に入るが、採用の優先順位が一番高いわけではないと、リード氏は指摘する。最も優先順位が高いのは、アプリケーション開発者やWebスペシャリストだ。景気後退を受けてプロジェクトを棚上げしていた企業が、それらを復活させていることが大きな理由だという。

 クラウドや仮想化のスキルは、ロバート・ハーフ・テクノロジーの顧客の間では、ネットワーキングやセキュリティの専門家のプラスアルファのスキルとして求められる傾向がある。これらのスキルはいずれも、ITに関連するサービスを顧客に提供するエンジニアリング/コンサルティング会社、法律事務所、アウトソーサー、経営コンサルティング会社といった企業からの需要が高いと、リード氏は語る。

 仮想化とクラウド・コンピューティングが最も注目度の高い技術の一角を占め、これらのスキルがダイス・ドットコムで非常に求められている1つの理由は、これらのスキルの必要性自体よりも、IT部門のこうしたプロジェクトの進め方にあると、市場調査会社エンタープライズ・ストラテジー・グループ(ESG)のシニア・アナリスト、マーク・バウカー氏は語る。

 同氏は、ESGが463社の企業を対象に実施し、2010年11月に発表した調査のデータを基に、こう語る。「仮想化への移行は通常、サーバ・チームによって開始される。コンソリデーションとITインフラ関連のワークロードだけに焦点を当てた仮想化の取り組みが、かなり長期間行われることもある。ほとんどの企業はこの段階を経て、仮想化への移行の最初の20~30%を完了し、手近な成果を上げたところだ。彼らは今後、ITインフラ分野を越えて仮想化への移行を進めなければならない。その場合、成功のハードルは技術ではない」

 ビジネス部門に属するサーバやアプリケーション(例えば、ファイアウォールやロードバランサといったITインフラ・アプリケーションではなく、ERPアプリケーションやコラボレーション・ソフトウェアなど)の仮想化への移行を行うIT担当者には、仮想化以外のスキルも要求される。彼らには、セキュリティ、アプリケーション開発、ビジネス・プロセス管理のほか、ユーザー管理のようなソフト・スキルも必要だと、バウカー氏は説明する。

 仮想化環境やクラウド環境で純粋なITインフラ関連ワークロードを管理するうえでも、さまざまなスキルセットが必要になるため、仮想化のスキルだけを持つ人を採用するのは、現実的ではないと、バータコアのキブリン氏は指摘する。

 「われわれの会社のスタッフは、さまざまな分野のスキルを持っていなければならない。OS、ハイパーバイザ、ストレージ、ルーティング、バックアップといった具合だ。こうしたスキルを併せ持つ人材はなかなか見つからない」とキブリン氏。「3~5年後には、サービス・プロバイダー以外の企業も、『IT担当者が自社にとって価値ある存在であるためには、ルーティング・チームやロード・バランシング・チーム、SANチーム等々のメンバーであるだけでなく、多様なスキルを身につけていなければならない』ことを理解するようになるだろう」

 サービス業界、とりわけビジネス・コンサルティング、法務サービス、アウトソーシング、経営コンサルティングといった業界が現在、IT人材を特に活発に採用していると、ロバート・ハーフのリード氏は語る。また、金融サービスやヘルスケアも、IT雇用に最も積極的な業界だという。両業界はいずれもIT依存度が高く、多数のシステムの刷新を進めているという。

 サービス業界でIT人材の採用が活発なのは、ここ2年くらい採用を抑制していたために欠員が生じ、その補充を行っているからだと、同氏は説明する。

 雇用が全体的に拡大しつつある中、民間セクターの雇用動向に関するADP(企業向け給与計算サービス会社)の調査とFRB(連邦準備理事会)の報告書で示されている見通しのように、雇用増加の多くが常勤従業員の雇用回復につながる可能性があると、リード氏は話している。

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