企業合併を機に既存環境から人材まで大鉈を振るったCIOに学ぶ
2011/11/21米国カンバーランド・ガルフ初のCIOとなったデイヴィッド・バンクス氏は、自社のIT改革が加速する中でCIOの役割の重要性を主張し続けた。
キャスリーン・カー ● text by Kathleen Carr
人心掌握もCIOの重要な能力
米国の飲食料品企業カンバーランド・ファームズと石油会社ガルフオイルが合併した際、デイヴィッド・バンクス氏はガルフのリスクマネジメント・プロジェクトを担当するコンサルタントを務めていた。会社が同氏に強く期待している事柄について知ったのは、ちょうどそのころだったという。
「私は手を挙げてこう言った。『この会社に必要なのはCIOだ』と」(バンクス氏)
「カンバーランド側で処理が必要な統合作業や残務の量に会社の目を向けさせなければならなかった」と、バンクス氏は当時を振り返る。残務対象の中には、メインフレームで30年間利用してきた基幹システムや、600店舗に配備されていた、バンクス氏いわく“耐用年数を過ぎた”古い機器が含まれた。同社は長期にわたってIT投資が手薄の状態にあり、新たな設備の導入と新たな見通しを立てる時期にきていた。
会社を前進させるため、バンクス氏が新CIOとして行った最初の仕事はチームを1つにまとめることだった。
「私がCIOに就いたときは、IT予算を把握している者は誰もおらず、説明責任が欠如していた。レガシー・システムは入れ替えが必要なほど明らかに非効率だったため、これらを立て直して強化しなければならないと決意した」
立て直しの一環には、誰が何をしているか、どこにいるべきかといった人材配置の見極めが含まれた。バンクス氏はキーパーソンとなる3人の上級マネジャーをそれぞれ小売オートメーション、卸売燃料アプリケーション、シェアード・サービスの重要ポストに任命した。
「トップの多くが入れ替わった。とはいえ、新しい組織に全員がなじんだわけではなく、それを望まない者もいた」(バンクス氏)
3人の上級マネジャーの配置で組織に蓄積された記憶が継承され、会社内に知識を保有する人材を留めることができたので、知的財産の消失は免れたという。
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