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コスト削減

診療待ち時間を短縮したキオスク端末

スーパーの片隅で気楽に医療サービスを受けよう

2010/10/21

米国リトル・クリニックは、紙ベースの診療受付から電子医療記録(EMR)を用いた新たなキオスク・システムに移行したことで、患者の待ち時間を1日当たり1時間短縮し、月に1万2,000ドルの経費節減を達成した。

シンディー・ワクサー ● text by Cindy Waxer

臨床医療分野ではワークフローと電子フォームが一大トレンドに

 テネシー州ブレントウッドに本拠を置く医療ケア・サービス企業米国リトル・クリニックは、スーパーマーケットの店内で時間のない患者に予約なしですぐに医療サービスを提供する会社である。患者からすれば、買い物ついでに診察してもらえれば時間の節約になるが、患者登録プロセスに時間がかかることが同社の悩みだった。

 「患者にはクリップボードに挟んだ受付用紙に必要事項を記入してもらい、順番を待ってもらっていた。しかも、臨床医はこれら患者情報が記された用紙をスキャンしてまとめ、週に1度本社に郵送しなければならなかった」と、リトル・クリニックのCIOを務めるマット・ウェイツ氏は語る。

 受付プロセスをどうにかして迅速化したいと考えたウェイツ氏は、自動化された患者登録キオスクを開発した。キオスクの導入前、臨床医はリトル・クリニックの電子医療記録(EMR)システムに患者情報をいちいち手作業で入力していた。また、順番待ちの列の記録・現状把握も手作業で行われていた。

 だが、ソフトウェア開発メーカーであるボストン・ソフトウェア・システムズの「Boston WorkStation」を導入することで登録プロセスを自動化して以来、「来院者の平均待ち時間は大幅に短縮され、臨床医のペーパーワークの負担も軽減されて効率が向上した」と、ウェイツ氏は語っている。

 患者がキオスクに氏名や住所、保険に関する情報を入力すると、そのデータは同社のEMRに送られる。さらに、キオスクのソフトウェアは「患者の氏名、生年月日、郵便番号をもとにヒューリスティック・マッチを実行し、過去に来院した患者を絞り込んで探す。これらの情報が一致した場合、システムはその患者を再診とみなし、初診時と同じ情報を入力させる二度手間を省けるわけだ」とウェイツ氏は説明した。

 ウェイツ氏によると、登録とデータ転送プロセスを自動化すれば患者1人当たりにかかる時間を約2分、割合にして10%短縮できるという。さらに、1クリニックにつき1日当たり約1時間の節約が実現し、スタッフの給与と事務管理費を合わせると月に1万2,000ドルのコスト削減になるそうだ。

 ITリサーチおよびコンサルティング業を営むインフォテック・リサーチ・グループのアナリスト、ティム・ヒッカーネル氏は、「米国で無保険者をなくす医療保険制度改革法が成立したことを考えれば、ヘルスケア、特に臨床医療の分野でワークフローと電子フォームが大きなトレンドになっているのは自然な流れだ」と話す。患者1人当たりにかかる時間を2分短縮するだけで1日に診察できる患者が1人増える、とウェイツ氏は見ている。

 キオスクには、順番待ちの列と、患者が必要とする治療内容に応じた予想待ち時間が表示され、これも顧客サービスの向上につながっている。順番待ちの列は臨床医もアクセスでき、待っている患者の数を指で数えなくても画面上で把握できる。「このシステムは患者の不安を和らげ、臨床医が診察に専念するのに役立っている」とウェイツ氏は胸を張った。

 「顧客のストレスを緩和できたのは良かったが、システムのEMRテクノロジーとワークフロー自動化ソフトを連係させるのは、とても根気のいる大変な仕事だった」とウェイツ氏は振り返る。スクリーン・スクレイピング・アプリケーションに似ているため、収集したデータをカーソルとマウス・クリックでEMRの所定のフィールドに挿入してみるなど、まさに試行錯誤の繰り返しだった。

いかにして時間とコストを節約したか
 リトル・クリニックはクリップボードに挟んだ受付用紙からキオスクとワークフロー自動化ソフトに移行することで、1クリニック当たり1日約1時間節約し、スタッフの給与と事務管理費を月に約1万2,000ドル削減した。

使用したツール
 ボストン・ソフトウェア・システムズの「Boston WorkStation」。リトル・クリニックのEMRシステムと、キオスク上のワークフロー自動化ソフトをシームレスに連携させるまで、このツールの手直しに6週間を要した。

エラーの回避
 システムが患者の入力ミス(住所のスペルミスなど)に敏感になりすぎないよう、EMRシステムに手を加え、患者登録ソフトからのデータ受け入れに寛容性を持たせる必要があった。

プライベシーへの配慮
 患者の個人情報保護の観点から、キオスクは他の人々から見えない場所に設置されており、多くのキオスクには覗き見防止のためのプライバシー・フィルターが貼られている。Boston WorkStationはリトル・クリニックの自社データセンターのサーバで稼働しており、データの流れも完全に暗号化されている。

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