革新的なアイデアを表彰するというアイデア
2011/09/22イノベーションを促進したい企業には、自発的に問題解決に乗り出した社員を表彰することをオススメする。表彰の対象になる実績は、どんなに小さくてもかまわない。
ジョー・エング ● text by Joe Eng
本人も周りも意欲を駆り立てられる
組織におけるイノベーションの意義を整理したら、次はこの認識を組織内に行き渡らせ、革新的な行動がどのようなものかを示す手本が必要になる。そこで、革新的な行動を取った人物を表彰し、ITチームの他のメンバーに対し、その存在をはっきり認識できるようにしてみてはどうだろうか。表彰により士気を高め、仕事に一層打ち込んでもらい、他のスタッフのやる気を引き出す模範になってもらおうというわけだ。
新しい習慣を取り入れる際には、このように模範的な人の存在を目立たせることが重要である。というのも、注目されたり、方向性が示されたりすることは、メンバーにとって行動を変えるモチベーションになるからだ。
メンバーの表彰は大小さまざまな規模で実施できるし、取り組み自体もたいして難しくない。筆者がCIOを務める米国の格安航空会社ジェットブルーは、他の多くの企業と同様、スポーツ・チームなど有名ブランドと取引している。筆者が革新的なメンバーや模範的な社員を表彰するときは、こうした取引先との関係を利用しながら家族や友達と共有できるような賞品を提供している。また、従業員にプレゼントを贈る際には、チームを鼓舞するのによく話題にするトピックに関連したものを選ぶよう気をつけている。
イノベーションの重要性を従業員に示す
筆者は最近、搭乗券を印刷するプリンターが抱えていた問題を新しい発想で解決した社員を表彰した。用意した賞品は、ジェットブルーの取引先であるプロバスケ・チーム、ボストン・セルティックスの試合を優等席で観戦できるチケットだった。
このとき問題になっていたトラブルとは、プリンターの動きが安定せず、業務の効率が落ちているというもので、接客係からも苦情が寄せられていた。これを受け、あるIT担当者は製品や技術を新しく投入するのではなく、設定を変更することでプリンター群全体の安定性を向上させる方法を見つけ出した。結果的に、顧客サービス担当の接客の効率は上がった。
筆者は社員の積極性を評価しており、設定変更による問題解決はITの課題を解決するにあたってまさに望んでいたとおりの行動だった。またその行動は、一貫した姿勢を保ちながらさまざまな予想を立て、プロセスを改善すると同時にITを駆使してビジネスを実現するという、我々のIT戦略目標の1つを具現化したものだった。
表彰された社員が試合を観戦したあと、我々はIT部門社員に電子メールを送り、賞を受けた取り組みの新機性や賞品の内容を説明した。
従業員を表彰するもう1つの方法として、筆者は功績を特定のトピックに紐付けて称えるという方法も利用している。筆者はNASAと宇宙探索に強い関心を抱いているが、これはなにも筆者だけにかぎったことではないだろう。宇宙は多くの人にひらめきを与える話題でもある。そこで、アポロ13号の救出作戦や、同作戦を題材にした1995年の映画で管制官のジーン・クランツ氏が言った台詞、「失敗という選択肢はない(Failure is not an option)」に関するものなど、宇宙開発競争にまつわるアイテムを賞品に選んだことがある。このトピックを掘り下げた書籍は何冊もあるので、従業員の功績を称える際にこうした書籍にメッセージを書き込んで、受賞者やチームに贈っている。
書籍などのプレゼントは従業員に個人的に渡すこともできるし、同僚がポジティブな反応を示すと予想される場合は皆の前で渡すこともできる。また家に直接送って、家族や友人に従業員の仕事ぶりをアピールできるようにすることも可能だ。
革新的な取り組みを称える方法は他にもあるはずだ。各自がそれぞれ自分の職場に合った方法を探してみてほしい。最適な方法が見つかった暁には、表彰を一貫して続けることが重要になる。こうすることにより、従業員の積極的な行動を促すことができるからだ。最終的には組織の内部からイノベーターが生まれるようになるだろう。![]()
Header_Social_Icon