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人材育成/IT組織改革

IT部門が「唯一無二の存在」となるために

NPS(ネットプロモータースコア)で顧客ロイヤルティを測る

2012/04/18

自社のITサービスを仕方なく利用している社内ユーザーを“忠実なる顧客”に変身させるには、まず彼らに、「次のプロジェクトでも自社のIT部門に仕事を任せたいと思いますか」と尋ねるとよい。これこそ顧客ロイヤリティを測る「究極の質問」なのだ。

ニール・ニコライセン ● text by Niel Nickolaisen

 ホステッド・ソフトウェアやクラウドなどの選択肢を選べるようになった今日、ITにかかわる物事は以前と比べて明らかに単純になった。そうした中で、ITサービスを利用するユーザーたちをIT部門の味方につけ、やはりIT部門がいないと駄目だと思ってもらうにはどうすればよいのだろうか。

 米国ウエスタン・ガバナーズ大学のCIOを務める筆者は、何年もの間、顧客の満足度を計測するさまざまな方法をテストしてきた。しかし、いずれの方法もあまりに複雑で、結局はほとんど使わなくなってしまう。私はそれこそ、顔を突き合わせての聞き取りからオンライン・アンケート、プロジェクト後の質問調査まで、多種多様な手法を試してきた。しかし、それらのうち1つにでも関心を示したユーザーはいなかった。

 そのあと読んだハーバード・ビジネス・レビュー誌の記事に、我々が求めてやまない唯一の計測法を紹介しているものがあった。この記事を書いたフレッド・ライクヘル氏が提案していたのは、「NPS(ネットプロモータースコア)」というコンセプトである。NPSは、顧客に対し、任意の製品やサービスを自分の友人、家族、同僚にどのくらい薦めたいかと尋ねることで算出するスコアだ。NPSを初めて知ったとき、「良いアイデアだが、恐らくITには適用できないだろう」と思った。強制的に利用させられているITの“すばらしさ”について誰かが知人に話している場面など、到底想像できなかったのだ。

 そこで私はふとバフのことを考えた。バフとは、私が頼りにしている自動車修理工である。彼は地上で最も優秀なメカニックだ。私が車関係で何かするときは、必ずバフに頼む。バフはまた、驚くべき正直者でもある。数年前、バフにフロント・ブレーキを交換してもらったことがあった。4万マイルほど走るとブレーキからノイズ音がするようになったので、バフのところへ車を持って行き、不具合をチェックしてくれないかと頼んだ。その日遅くに彼から電話があり、新しいブレーキが必要という話を聞いた。それから彼が、「このブレーキ、以前私が交換しませんでしたか?」と聞いてきたので、そのとおりだと答えた。もっとも、最後のブレーキ交換は約4万マイル走る前のことだったので、そろそろ部品を取り替えてしかるべき時期に来ていたのだと思う。ところがバフはしばし沈黙し、おもむろにこう言った――「このブレーキは4万マイル以上もつはずなんです。新しいものに交換しますが、料金はいただきません」と。

 バフはNPSのことなど何も知らないだろうが、彼のスコアは史上最高値に届くのではないかと私は考えている。事実、私はバフの話を誰にでもする。私の知人たちも、彼らがバフについて知っていることを皆に伝えている。ときには、知り合いでもない人が私に電話をしてきて、バフを紹介してほしいと頼んでくるほどなのだ。

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