消費者参加型コンテンツをサイトに設けている企業はご用心!
2011/09/15米国政府当局が違法性の高いサイトを次々と閉鎖しているが、そのプロセスには異議も唱えられている。ドメインの押収は憂慮すべき事柄だが、一般企業のサイトはセーフハーバー条項によって保護されているのでまず安心してよいようだ。
グラント・グロス ● text by Grant Gross
掲示板が「アウト」になる場合も?
あなたの企業のWebサイトは、ユーザーが作成するコンテンツをホスティングしていないだろうか。例えば、顧客が企業の製品やサービスについてコメントを投稿できる掲示板などがそうしたコンテンツに含まれる。もしそうなら、ある朝出社してみると自社のサイトが見慣れぬメッセージに占領されているということが起こるかもしれない。米国土安全保障省の移民関税執行局(ICE)が著作権侵害を理由にドメイン名を押収したことを意味するメッセージだ。
こうしたシナリオが現実のものとなる可能性はごく低い。だが、ICEはこの1年間に著作権侵害の疑いで110以上のドメイン名を押収している。これに対しては、「著作権を侵害しているサイトと侵害していないサイトの線引きがあいまい」だという疑問の声が一部から上がっている。とはいえ、「自社のWebサイトに何かしらユーザーが作成するコンテンツがあるのなら、少なくともその点を念頭においておくべきだ」と、ICEによるドメイン押収を批判しているインターネット公益団体、民主主義と技術のためのセンター(Center for Democracy and Technology)の上級ポリシー・カウンセルを務めるデビッド・ソーン氏は指摘した。
これまでのところ、ICEの捜査によって押収されたドメインの大半は音楽や映画の海賊版、あるいは偽造品の販売に携わっていたところのようだ。ICEは2011年2月、「児童ポルノサイトをホスティングしている」との理由で、大手DNSホスティング・サービス「FreeDNS」の共有ドメイン「Mooo.com」を押収している。そのプロセスの一環として、ICEはMooo.comのサービスを利用していた8万3,000ものサイトを一時的に閉鎖した。このほか、ヒップホップ音楽に特化したファイル共有サイトや「BitTorrent」検索エンジンなど、著作権侵害を理由にドメインを押収された一部のサイトでは、サイト・オーナーが押収の合法性に異議を唱えている。
ソーン氏によると、問題は押収のプロセスにある。ICEは、裁判所に出向いて著作権侵害の証拠を示せばドメイン押収の許可命令を請求できるが、この手続きは問題のドメイン名の所有者には一切通知されることなく進められる。ICEのジョン・モートン局長は一連の押収の正当性を主張し、「押収されたサイトはいずれも故意に偽造品の販売に携わっていた」と述べている。一方、複数の国会議員がICEのドメイン押収プロセスを正式なものとするための法律の制定に着手している。
ニューヨークの法律事務所ホワイト・アンド・ケースで知的所有権担当弁護士を務めるステファン・メンツァー氏は、「合法なWebサイトは心配無用だ」と話している。同氏によれば、ICEがターゲットとしているのは基本的に犯罪レベルで著作権侵害を行っている国外のWebサイトだという。デジタル・ミレニアム著作権法(DMCA)のセーフハーバー条項では、ユーザーが作成したコンテンツを扱っている企業サイトは当該のコンテンツを速やかに削除するかぎり、著作権侵害の申し立ての対象とはならないことが定められている。![]()
Header_Social_Icon