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コンプライアンス/内部統制

“オンライン行動を追跡されない権利”を巡る攻防

「Do Not Track」機能に政府規制は必要か

2011/04/08

米国連邦取引委員会(FTC)は、ユーザーがオンライン行動の追跡を拒否できる「Do Not Track」機能の普及を支持する姿勢を明らかにしている。だが、共和党議員やIT企業は、法規制は不要だと考えている。

グラント・グロス ● text by Grant Gross

プライバシー保護とWebベース事業の存続、どちらを取ればよい?

 米国連邦取引委員会(FTC)は2010年12月、「オンライン行動の追跡を拒否できるプライバシー機能『Do Not Track』をユーザーが利用できるようにすることが求められている」との見解を表明した。しかし、そのための法規制が必要になるかもしれないというFTCの意見に対し、共和党議員や一部のIT企業は冷ややかな反応を示している。

 業界の自主的な取り組みにより、Do Not Track機能が実現され、広く普及、定着する可能性はあるが、FTCのジョン・リーボウィッツ委員長は、業界が迅速に動かなければ、議会が介入する必要があるかもしれないと述べている。

 Do Not Track機能が開発された場合、Webブラウザに実装される可能性が高い。Webベースの企業のCIOが、ユーザー行動の追跡方法を変更する必要はないだろうが、一部の議員は、オンラインのデータ収集や行動追跡の規模が縮小することにつながる法規制の制定に関心を持っている。

 一部の業界団体や企業は、Webユーザーが、「自分に関するどのようなデータが収集されるか」「どのようなターゲット広告を受け取るか」をコントロールできるように真剣に取り組んでいる。「だが、Do Not Trackのメカニズムはまだ普及していない。こうした機能は何年も前から求められているにもかかわらずだ」と、リーボウィッツ氏は指摘する。

 しかし、一部の共和党下院議員やシマンテック、タイム・ワーナー・ケーブルの代表者らは、2010年12月に開かれた議会の公聴会で、Do Not Track機能に疑問を投げかけた。この機能によって大勢のユーザーがターゲット広告を拒否すれば、オンライン広告ビジネスに大きな打撃を与える可能性があり、多くの無料オンライン・サービスが立ち行かなくなるかもしれないと、一部の共和党議員は述べた。

 スティーブ・スカリーズ下院議員(ルイジアナ州選出、共和党)は、Web上での行動追跡は、Webサイトや広告ネットワークに「有益な情報」をもたらすと考えている。

 「その恩恵を受けるのは、企業だけに限らない。消費者も、パーソナライズされたWeb体験を享受できるほか、自分の興味に合った広告を受け取ることができ、たくさんの広告をチェックする必要はなくなる」と同氏は語った。さらに、オンライン行動に基づくターゲット広告は、「インターネット自体にも有益だ。消費者が楽しんでいるWebサイトのコストをまかなう助けになっているからだ。Webサイトのサービスの多くは、無料で提供されている」と同氏は付け加えた。

 一方、米国ダイレクトマーケティング協会(DMA)は2010年10月、4つの広告業界団体とともに、これら5団体の会員企業5,000社によるオンライン行動追跡を、Webユーザーが拒否できるようにするプログラムの詳細を発表し、2011年1月に同プログラムの本格的開始を発表した。これらの団体は、このプログラムがFTCと議会に、政府規制は不要であることを証明することを期待していると、DMAの政府問題担当シニア・バイスプレジデント、ジェリー・セラセール氏は語る。

 だが、プライバシー擁護団体は、こうした自主規制の取り組みを懐疑的に見ており、キツネに鶏小屋の番をさせるようなものと揶揄している。オンライン行動追跡は、至るところで行われるようになっていると、米国消費者連盟(CFA)の消費者保護ディレクター、スーザン・グラント氏は語る。

 「法規制が必要だ。現状では、収集される情報の種類、保持期間、共有先、使い方がまったく制限されていないからだ」(同氏)

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