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アウトソーシング

オフショア・アウトソーシング・プロバイダーのリストラ断行にどう対処する?

値下げ交渉のチャンスも。米国の最新事情に学ぶ5つのヒント

2012/04/16

IT業務を海外で請け負うオフショア・アウトソーシング・プロバイダーが、顧客企業との窓口役を務めるオンショア・スタッフを減らし始めている。プロジェクトを滞りなく遂行するために、サービスを利用する側の企業はこの事態にどう対処すればよいのか。本稿では、その5つのヒントを紹介する。

ステファニー・オーバビー ● text by Stephanie Overby

オンショア・スタッフがいなくなる

 オフショア・アウトソーシング・サービスの利用歴が長いCIOであれば、すでにお気づきかもしれないが、このところプロバイダーがプロジェクト管理のために派遣するオンショア・スタッフの数が減少傾向にある。インドのオフショア・アウトソーシング・プロバイダーやその米国支社はこれまで、プロジェクト管理や顧客企業との関係構築をスムーズにするため、顧客と自社の窓口になるスタッフを米国内に配置してきた。しかし現在、ほとんどのプロバイダーがこの種の業務を米国外に移しつつあるのだ。

 アウトソーシング・プロバイダーが米国に置くオンショア・スタッフを減らす最大の理由は、アウトソーシング・サービスの利益率圧迫が続いているからだ。昨今では、高いスキルを持ったスタッフのビザ取得問題も人員削減の大きな要因になっている(オンショア業務の多くはH-1BビザまたはL-1ビザを持つアウトソーシング・スタッフが担っている)。プロバイダーが指摘するのは、ビザの申請料金の値上げや却下率の上昇、取得にかかる日数の長期化といった問題だ。

 インドのアウトソーシング・プロバイダー上位10社に含まれる3社のCEOは先ごろ、ザ・タイムズ・オブ・インディア紙の取材に答え、今後1年間でオンサイト業務を最大5%削減し、派遣社員の引き継ぎ処理など、これまでオンサイトで行っていた業務は今後ビデオ会議を通じて行う予定だと語っている(なお、CEOの氏名や社名は明らかにされていない)。

 2012年後半には、インドのITサービス・プロバイダー、インフォシスが自国スタッフをB-1ビザで米国に不正派遣していたとされる内部告発裁判も始まる。このタイミングで、派遣労働者に対する米国のビザ発給条件が緩和されるとは考えにくい。しかも、これらビザ問題などについて話し合う予定だった米国・インド間の協議は、1月9日時点で無期限の延期となっている。

 オフショア・アウトソーシング・サービスを利用している企業は今後、オンショア・スタッフ、オンサイト・スタッフの削減がもたらす影響に備え、次のような対策を講じるべきだろう。

(1)プロセスの見直しを行うべし
 まず重要なのは、国をまたがるスムーズなサービス・デリバリーに欠かせないオンショア業務の担い手を確実に確保することだ。アウトソーシング専門のコンサルティング会社、エベレスト・グループのグローバル・ソーシング担当バイスプレジデントを務めるアムニート・シング氏は、短期的に生じる空白については契約社員の活用を、長期的な空白については人材の社内育成を検討すべきだと助言する。アウトソーシングに関する調査会社、米国HfSリサーチのCOOであるエステバン・エレーラ氏によると、サービス利用企業の間では社内に戻すべき業務の選別が始まっているのが現実だという。

(2)チェンジ・マネジメントを強化すべし
 サービスのデリバリー方法や日々の業務方法が変わる可能性を社員に周知し、その準備を整えておく必要がある。また、不測の事態にも対処できるよう効果的なコミュニケーション戦略を実施すべきだと、シング氏はアドバイスする。

(3)ニアショア(近隣国へのアウトソーシング)を検討すべし
 米国の場合ならメキシコなど、近隣国に拠点を擁しているプロバイダーには北米自由貿易協定(NAFTA)が適用されるため、短期ビザの問題は発生しないとエレーラ氏は指摘する。この種のプロバイダーであれば、プロジェクト管理やノウハウの引き継ぎに必要な人材の派遣を比較的容易に受けることができる。

(4)テクノロジー・インフラを強化すべし
 オフショア・アウトソーシング・プロバイダーは今後、プロジェクト管理のために高性能なビデオ会議システムの導入やIT化の促進を求めてくる可能性が高い。そのため、削減されたオンショア・スタッフの仕事をカバーできる適切なインフラやソフトウェアを整備しておくべきだとシング氏は助言した。それに合わせ、新しいツールを使いこなすための社内トレーニングの計画や実施も重要となる。

(5)契約内容の見直しを図るべし
 アウトソーシング・プロバイダーがオンショア業務の国外移転を計画しているのであれば、それはサービス料金を再交渉する好機となる。ただし、強硬な値下げ要求は好ましくない。それよりも、多くの業務を人件費の安い国へ移転するメリットをお互いが享受できるようにするべきだ。長期的な視点に立てば、そのほうが取引関係の満足度や健全性が高まるからである。

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