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IT基盤

ビジネス・イノベーションを加速する「ハード×ソフト」の理想形――オラクルが描く次世代ITプラットフォームのあるべき姿

Oracle Enterprise Computing Summit基調講演リポート

2011/08/29
CIO Online Special

2011年7月26日、日本オラクル主催のセミナー「Oracle Enterprise Computing Summit」が、東京・恵比寿(ウェスティンホテル東京)で開催された。昨年、旧サン・マイクロシステムズとの事業統合を完了したオラクルは、現在、アプリケーションからCPU、サーバ、ストレージまで製品ラインアップを拡充し、それらを最適に組み合わせて提供することで、高い柔軟性と効率性を備えたIT基盤の実現をサポートしている。本稿では、同セミナーの基調講演のリポートを通じて、オラクルの製品戦略の一端を紹介する。

管理コストを戦略投資に振り向ける
オラクルの次世代プラットフォーム


日本オラクル システム事業統括 執行役員 野々上仁氏

 「近年、仮想化サーバの普及により、ユーザーが管理しなければならない論理サーバ台数は、減るどころか逆に増えている」――そう指摘するのは、「Oracle Enterprise Computing Summit」の基調講演に登壇した、日本オラクルのシステム事業統括 執行役員、野々上仁氏である。言うまでもなく、管理対象となるサーバが増えればその分ユーザーの管理負担は増える。しかも、仮想化環境においては、ハードウェアとソフトウェアの選定からインテグレーション、セットアップ、チューニングなど、いずれのプロセスにおいても多大な手間と高度なノウハウが要求される。

 「こうしたITインフラ管理の“複雑化”が、運用管理コスト増大の一因になっている。だが、こうした“後ろ向き”なコストを削減することができれば、その分を“前向き”な戦略投資へと振り向けることができる」と、野々上氏は主張する。

 実際、オラクルは、旧サン・マイクロシステムズとの事業統合以降、ビジネス・イノベーションに直結する戦略的IT投資の推進に向けて、次の3つの事業分野に力を入れている。

 ●サーバ、ストレージ、ネットワーク機器など、旧サンから提供しているオープン系システム向けのビルディングブロック型製品の拡充。
 ●アプリケーションやシステムの特性に合った検証済みのシステム構成を提案するソリューション「Optimized Solutions」の展開。
 ●ソフトウェアとハードウェアの一体開発による、性能、可用性、セキュリティ、管理性の向上を追求したプリビルド型の次世代プラットフォーム「Engineered Systems」の推進。


オラクルが注力する3つの事業分野

 なかでも、Engineered Systemsは、システムの複雑さや非効率さの解消、セキュアなIT環境の実現を目指して打ち出された新しい製品コンセプトだが、それを具現化した最初の製品が、オラクルの高速データベース・アプライアンス「Oracle Exadata Database Machine」(以下、Oracle Exadata)である。

 Oracle Exadataをすでに導入し、ビジネス・プロセスの変革を成し遂げたという企業は数多く存在する。また、情報管理基盤の高性能化、コスト削減などを短期間で成功に導いた事例も枚挙にいとまがない。

 例えば、Oracle Exadataでは、ストリーム・データが発する多種多様なイベント(気温の変化、位置の変化、株価の変化など)をリアルタイムに処理することができる。また、大量の履歴情報からさまざまなイベントの発生や変化を的確に読み解く――いわゆるビッグデータ管理に向けたプラットフォーム構築にも対応可能となっている。

 「企業で扱うデータ/トランザクション量の爆発的な増大が進むなか、オラクルでは、データ増に柔軟に対応できる企業向けストレージ・ソリューションをフルラインアップで用意している。システム構築の難易度は年々高まるばかりだが、フラッシュ・アレイからテープ・ライブラリまで、システムのコア技術を自社開発できることが、我々の大きな強みになっている」(野々上氏)

変化に強いIT基盤で
業務改革を自ら実践


日本オラクル システム事業統括 ソリューション統括本部 セールス・コンサルティング・シニア・ディレクター 元永秀史氏

 一方、オラクルの技術革新の根幹を支えるのが、40億ドルを超える研究開発投資だ。「これにより、より短い期間での製品機能強化、品質向上が可能となっている。加えて、オラクル自らが自社製品を全社規模で導入・実証することで、その経験やノウハウをお客様企業への提案に役立てている」と説明するのは、野々上氏に続いて登壇した、日本オラクル システム事業統括 ソリューション統括本部 セールス・コンサルティング・シニア・ディレクター、元永秀史氏だ。同氏は講演で、オラクル自らが取り組んだ業務改革プロジェクト「Global Single Instance(GSI)」の成果などについて語った。

 オラクルのGSIプロジェクトは、業務プロセスの合理化による経営効率の改善を目的に、1998年から2004年にかけて世界規模で実施された。同プロジェクトでは主に、IT基盤の統合やデータ、システム、業務プロセスの標準化および自動化、そしてシェアード・サービスへの移行が図られた。その成果は、10億ドルのコスト削減、経営情報品質の向上、顧客サービスの向上、コンプライアンスへの貢献、M&Aに強い柔軟なIT基盤の確立など多岐にわたる。

 そんなGSIプロジェクトで得た基盤をベースに実現したのが、先にも述べたサンとの統合に伴う自社の基幹システムの刷新だ。これに伴いオラクルは、自社の基幹システムを刷新。SPARC/Solaris基盤とオラクルERPおよびデータベースを高度に結合したものへ移行することにより、OLTPおよびERPのパフォーマンスが2倍に向上し、設置床面積は半分以下に削減、さらに、障害時リカバリ所要時間を95%削減し、運用コストを約40万ドル節減することに成功した。そのために要した人員は16名で、期間もわずか2カ月で完了したという。


「Oracle on Sun」活用の自社実践事例

 「M&Aの加速化、突発的な自然災害など、いかなるビジネス環境の変化にも耐えうる強靭なIT基盤へと進化させることが我々の目標」と元永氏。最後に、同氏は、「サン統合から約400日の間、皆様のご支援と励ましのおかげでここまでやってこれた。心から感謝したい」と述べ、講演を締めくくった。

*  *  *

 このほかにも、同セミナーでは、計6つのセッションが繰り広げられ、Engineered Systemの導入事例をはじめ、オラクルが提供する技術/製品に関する最新の情報が紹介された。会場には約200人の聴衆が詰めかけ、熱心に耳を傾けた。

 

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■事例資料:オラクル、自社のミッション・クリティカルGSIシステムを強化

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