増え続けるデータの制御は一般企業の手には余る
2011/11/04米国IDCが発表したリポートによると、データは今後爆発的に増加し、検索やプライバシー、コンプライアンス、人材面でさまざまな課題が浮上するという。本稿では、CIO.comのアドバイザーで、仮想化やクラウド・コンピューティングを専門とするコンサルティング会社、ハイパーストレイタスのCEOを務めるバーナード・ゴールデン氏が同リポートについて解説する。ゴールデン氏は、同リポートはクラウドに保存されるデータ量を過小評価していると指摘した。
バーナード・ゴールデン ● text by Bernard Golden
想像以上に深刻な問題がすぐ目の前に…
米国のリサーチ企業IDCによる最新リポート「2010 Digital Universe Study」[PDF]に目を通してみたところ、この1年間、我々が顧客に訴え続けてきた主張とほぼ同じ内容が記されていた。すなわち、データ増加量に関する過去数年間の予測は、今後作成されるデータ量を著しく低く見積もっているのである。
同リポートの主な内容は次のとおりだ。
●2010年、“デジタル・ユニバース”(動画や音声、文書など、世界中の一般消費者と企業が作り出した全データを指す用語)は、1.2ゼタバイト(120万ペタバイト)に達する。
●2020年までに、デジタル・ユニバースは2009年時点の44倍に達する。
●オブジェクト、つまりデジタル・データを格納したファイルの数は、データ量よりも速いペースで増加する。これは、サイズの大きい動画ファイルや音声ファイルが増える一方で、各種のデバイスやセンサーによりサイズの小さいファイルが大量生成されることに起因する。
また同リポートによれば、これからデータが爆発的に増加していく中で、次のような問題が生じてくるそうだ。
●検索:膨大なデータからいかにして目的のデータを探し出すか。将来的に作成されるデータのほとんどは非構造化データであると予想され、的確な検索を行うには新しいタイプの検索手法が必要となる。
●ストレージの階層化:膨大な量のデータに対しては階層型ストレージ管理が有効であると以前から言われているが、データ量がゼタバイト・クラスともなればその必要性は一層高くなる。データの使用履歴や必要性、保存コストに基づいてストレージを階層化するための計画が早急に求められる。
●プライバシーとコンプライアンス:管理すべきデータが大量に存在する現状において、増加の一途をたどるプライバシー要件やコンプライアンス要件にどのように対応していくべきか。
●人材不足:予想されるデータ量が44倍、ファイル数が67倍に上昇する一方で、人員の増加は1.4倍にとどまると見込まれている。
リポートでは、これらのデータの多くは2020年までにクラウド環境に保存されるか、一時的にクラウドで処理されるようになると述べられている。データの一時的な処理とは、クラウド・サービスを通過したり、クラウド・アプリケーションで一時的に保持されたりする状態を指す。リポートの予測では、クラウドに保存されるのは全データの約15%で、クラウドに保存または一時的にクラウドで処理されるのはおよそ3分の1である。しかし、率直に言って、筆者は次の理由からこの数字も楽観的だと考えている。
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