コスト削減や企業文化の変革、社員のモチベーション上昇などメリットは多種多用
2012/01/18クラフト・フーズやワールプール、モトローラ・ソリューションズなどの企業は、他社に先駆けてBYOT(Bring Your Own Technology)を実践し、生産性向上やコスト削減を実現している。本稿では、社員がBYOTの導入を求める理由と、BYOTを成功させるためのヒントを紹介する。
キム S.ナッシュ ● text by Kim S. Nash
(7)誰が費用を負担するか
家電メーカー、米国ワールプールでは、私物端末の購入費用に数百ドルの会社負担金を出すことを検討中だ。しかし、社員1人当たりどの程度支給するかは未定だという。また、同時に議題に上がっているのが、負担金は1回のみの支給とするのか、それとも数年の買い換えサイクルごとに負担するのかという問題である。同社のグローバル情報システム担当ディレクター、ダレン・フェアフィールド氏が懸念するのは公平性だ。
「幹部クラスなら自己負担でも問題ないだろうが、工場の職員にとって数千ドルのノートPCは大きな出費となる」(フェアフィールド氏)
このためフェアフィールド氏は、数百ドル程度の安価なネットブックを会社の所有物として支給するケースも検討している。
米国の法律事務所フォーリー&ラードナーでは、3年おきに最大3,800ドルの会社負担金を支給している。給与の一部として支給しないのは、課税所得になるのを避けるためだ。「税金の明細書に突然見慣れない項目が追加されていたらいい気分はしないはずだ」と、同事務所のCIOを務めるダグ・カデル氏はその意図を説明する。また同氏は、BYOTに付随する費用を最小限に抑えるため、CIOは経理部門に相談すべきだろうと助言している。
一方、コンピュータ・チップの組立機械を再販している株式非公開企業AGセミコンダクターは一切の手当を支給していない。私物端末を業務に利用する社員は申請を出し、CIOのジャレッド・ミットルマン氏かシステム管理者が、端末のRAM容量や処理性能、価格を調べて、業務利用に適しているかどうかをチェックする。冒頭で紹介したCIO Magazine米国版の調査によると、多くの企業は一切手当を渡していない。何らかの形でBYOTを取り入れていると回答した131社のうち、私物端末の費用を全額負担しているのはわずか4%に過ぎず、一部を負担している企業も36%にとどまった。残り60%は全額が社員の負担である。
米国の食品大手クラフト・フーズでは4年に1度、手当を支給している。同社のCTOであるマイク・カニンガム氏は詳細な額については明言を避けたものの、BYOTを導入するCIOに対し、手当の受給者と受給額を社員の入社および退社手続きの一環として管理するように勧めている。
「私物端末の業務利用に関する作業を新たな手続きとして策定するのではなく、既存の手続きに組み込むことができるからだ」(カニンガム氏)

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