2012年、対企業のMac/iPad売上げが前年比58%増の190億ドルへ
2012/01/31あなたの会社では今年、どの程度のお金をアップル製品に支出しようとしておられるだろうか。これは予想だが、アップル製品――特に、iPadに対する支出に関しては、これまでの実績を超える額になるのではないだろうか。
トム・カネシゲ ● text by Tom Kaneshige
頭打ちのWintel PCを尻目に
米国フォレスター・リサーチが今年1月に発表した予測によると、全世界の企業/政府機関のCIOがアップル製品に投じる金額は2012年に190億ドルに達し、うち100億ドルがiPadの導入費に支出されるという。この投資額は前年の120億ドルを大幅に上回るものだ。

図:全世界の企業/政府機関によるパーソナル・コンピュータへの投資額
フォレスターではまた、エンタープライズ市場で劇的に売上げを伸ばすアップル製品とは対照的に、Windowsベースのインテル系PC(Wintel PC)は今年、3%の売上げダウンを余儀なくされると予測する。
もちろん、エンタープライス領域でのシェアはWintel PCのほうがまだまだ大きく、その市場規模も690億ドルと巨大だ。しかしながら、製品としての勢いはMac/iPadのほうが格段に上と言える。
フォレスターでは、アップル製品のこうした勢いは今後も持続し、2013年にはエンタープライズ市場でのMac/iPadの売上げが280億ドルに達すると見ている。また同社によれば、フォーチュン400社の92%がすでにiPadを採用している(あるいは採用に向けた検証を進めている)という。
ちなみに、産業別で見ると、ヘルスケア、金融、航空、および製造といった業界の企業がiPadの導入に特に積極的なようだ。
企業への浸透は
アップルの努力とは無関係?
iPadに代表されるアップル製品の人気は、エンタープライズITの世界にコンシューマライゼーション、あるいはBYOD(Bring Your Own Device/私的端末の業務利用)という新しい流れを形成し始めている。
このトレンドによって、多くのCIOが眠れぬ夜を過ごすことになったが、これはアップルの陰謀でもなければ、彼らの努力の成果でもないらしい。
「エンタープライズ分野でのアップル製品の躍進は、アップルが積極的に後押しした結果ではない。企業へのアップル製品の浸透は、どちらかと言えば、同社による正式なサポートがないところから巻き起こった流れだ。とういのも、アップル製品のビジネス活用は、中央のIT組織からは見えないところで、各個人が秘密裏に進めてきたものだからだ」と、フォレスターのアナリスト、アンドリュー・バーテルズ氏は指摘する。
パーテルズ氏によれば、アップル製品が企業の中に入り込む道筋は大きく3つあるという。
その1つは、多数のiPadが導入されるという道筋だ。すなわち、会社の正面玄関から多数のアップル製品が堂々と入り込むということである。
確かに、フォーチュン500社の中には、数千台、あるいは数万台規模のiPadを社員用に導入し始めているところも少なくない。
例えば、年商180億ドルの米国半導体メーカー、KLA-Tencor社のCEOは、5,400人の全社員にiPadを持たせている。
一方、中小の会社のオーナーがビジネス/パーソナル兼用でMacやiPadを会社に持ち込むケースも少なくない。
バーテルズ氏は言う。
「米国の中小の企業は、伝統的にアップル製品の採用に積極的だ。その背後には、こうした会社のオーナーが使いやすいアップル製品を好み、会社の経費で自分用のMacを購入してきたことがある」
そして3つ目の経路が、会社のCEOや役員が持つiPhoneやiPad、あるいはMacBookの業務利用がCIOに認められ、それが全社に波及していくという道筋である。これはすなわち、役員クラスに認められたアップル製品のBYODが、全社的にも正式に認められるという流れでもある。

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