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SCM

関連カテゴリー: 海外事例 | 業務プロセス改革 | SCM

SCM導入で業務の合理化を図る食材メーカー

代替サプライヤーの確保が競争上の優位を生む

2012/02/02

異種混在の多様なSCM(サプライチェーン・マネジメント)システムを1つに統合して業務効率を上げることにより、食材メーカーのテイト・アンド・ライルとメープルリーフフーズは競争優位性を確立した。両社の例から企業は何を学ぶべきか。

トッド R.ウェイス ● text by Todd R. Weiss

一筋縄ではいかない
企業合併に伴うシステム統合

 企業を買収すると会社の成長や売上げにすぐさま影響が出るものだが、それよりも大きな影響を早い時期に受けるのがIT部門だ。というのも、IT部門は既存部門と新しい部門を1つにまとめるうえで適切な戦略と技術を見つけ出す役割を担っているからである。

 もちろん、サプライチェーン・マネジメント(SCM)・インフラストラクチャのような主要なITシステムの場合、統合作業が簡単かつ迅速には進まないことがある。

 飲食材メーカーのテイト・アンド・ライルは、こうした難しい状況をよく理解している企業の1社だ。同社は4年前にある企業を買収したものの、2つのSCMシステムをいまだ統合し終えていない。2012年夏にようやく統合作業が完了する予定だが、これまでの道のりはとても長かったと、同社のビジネス・プロセス・マネジメント担当バイスプレジデントのビル・マクルーア氏は述べた。

 鶏肉やポーク、加工食品などを扱うメープルリーフフーズも同じ苦労を味わっていると、同社でオペレーションおよび食品安全システム担当シニアディレクターを務めるロブ・ドムコウスキー氏は語る。企業買収を繰り返しながら成長してきたメープルリーフフーズはこれまで、買収先が使っていた14種類のビジネス・プランニング・アンド・コントロール・システム(BPCS)と、8種類のウェアハウス・マネジメント・システムを手に入れてきた。

 「今後の買収に向けてグローバルな枠組みが必要になっている。これ以上の拡張は難しい」(ドムコウスキー氏)

 マクルーア氏とドムコウスキー氏は、SAPが米国本社を構えるペンシルバニア州ニュータウンスクエアで開催したSAPサプライチェーン・マネジメント・サミットでこの話を披露し、複数のSCMシステムを連携させるための試行錯誤や苦労話を紹介した。

 彼らはそろって、会社が事業を買収したときから自ら所属するIT部門にとっての本当の大仕事が始まると、明快なメッセージを口にした。

 テイト・アンド・ライルでは複数の既存SCMシステムを1つのSAPシステムに統合する戦略を立て、「プロジェクト・ジェネシス」を立ち上げたと、マクルーア氏は述べる。同プロジェクトは2011年1月に発足し、2012年の2月に始動する手はずだ。同氏によれば、「現在は異種のシステムが混在している状況」にあるという。どの部署もそれぞれのデータを利用するため、部署ごとに扱う販売やマーケティング、売上げの数字が異なり、大きな問題になっている。

 「今は協力し合いながらやっているが、残念ながらいつも同じ数字を扱えているわけではない。この課題を解決するために立ち上げたのが同プロジェクトだ」(マクルーア氏)

 一元化された新SCMシステムで目指すのは、それぞれの部署が各自の業務指標を確かめたり、自部門の数字が組織全体におよぼす影響を確認したりできるようにすることだと同氏は言う。

 新システムはまだ配備の段階だが、システムがユーザーや顧客のニーズを満たしているかを確認するため、同社は運用モデルの構築も進めている。

 「この部分こそが組織にとって非常に重要だ」(マクルーア氏)

 メープルリーフフーズでは、「SAP Supply Chain Management」(SAP SCM)を導入する取り組み「プロジェクト・リープフログ」を2009年8月に開始した。買収で取得した企業同士のシステムを一元化する初めての取り組みだ。各部門への展開は、まずシステムを導入、稼働させてから、利用状況に合わせて最適化する形で定期的に行っているとドムコウスキー氏は説明する。

 新システムには、「Supply  Relationship Management」から「Human Resources」「Manufacturing」「CRM」「Materials Management」「Quality Management」「Production Planning」「Finance/Costing」「Production Planning Process Industry」「Advanced Planning Optimization」「Extended Warehouse Management」に至るまで、幅広いSCMツールが搭載されている。

 同社が導入を簡単にするために取り入れているのが、“ノー・カスタマイズ”というルールである。メープルリーフフーズはユーザーや部門のためのカスタマイズを基本的には控え、SAPアプリケーションへのカスタマイズが必要な場合は、他の手段では目的を達成できないことを証明してCEOから明示的な承認を得ていると、ドムコウスキー氏は語った。独自に作成したコードはベンダーが用意したアップグレードと互換性がないので、「カスタマイズした製品のアップグレードは難しいことを経営層は見通して」(ドムコウスキー氏)おり、「彼らはこのことを肝に銘じたうえで、SAPのベスト・プラクティスにプロセスを合わせる必要性を利用部門に説いている」(ドムコウスキー氏)そうだ。

 現在までのところ、新規のSAP SCMシステムにメープルリーフが施したカスタマイズの数はたったの111件ほど。「寄せられた要求の数に比べると非常に小さな数字だ」と、ドムコウスキー氏は話した。

 メープルリーフは事業展開のスピードが速いので、SCMシステムの新規導入は大歓迎だと同氏は述べる。

 同社は2010年10月より鶏肉倉庫へのシステム導入を開始し、そのうちの5つの案件を完了した。その結果、効率よく新鮮な鶏肉製品を流通させられるようになった。

 「商品の賞味期限が短いため、テンポよく動くことが求められる。『売れなければ悪臭が漂う』ことになる」(ドムコウスキー氏)

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