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SNS/情報共有/コラボレーション

コラボレーション・ツール導入に伴う3つの課題

自家製ソーシャル・メディアで業務効率の向上を実現する

2012/02/03

企業向けコラボレーション・ツールは、社員のコミュニケーション強化と職場の透明性向上に役立つ。本稿では、コラボレーション・ツールの利用定着と導入効果の測定に取り組む出版社ランダムハウスの事例を紹介する。

クリスティン・バーナム ● text by Kristin Burnham

電子メールだけでは
ビジネス・ニーズを満たせない

 毎年1万タイトル以上の書籍を発行している出版大手の米国ランダムハウスでは、情報の管理および共有と社員のコミュニケーション強化に役立つリアルタイム・ソリューションを必要としていた。同社のIT担当バイスプレジデントを務めるクリス・ハイアムズ・ハート氏は、「もう電子メールでは対応できない状況に陥っていた」と、当時の状況を振り返る。

 「関係者に重要な情報を提供したいと思っても、電子メールではその用を果たせない場合が多い。例えば、営業部門がマーケティング部門に活動内容を知らせようとしても、メーリング・リストの全員がその情報を求めているとはかぎらない。このような場合、情報を誰に伝えればよいかを判断するには、常に周囲の状況を把握している必要がある」(ハート氏)

 そこでハート氏は数カ月かけて、いくつもの企業向けコラボレーション・ツールを検証した。同氏の主眼は、社内版Facebookの構築ではなく、システムから必要な情報を引き出せる仕組み作りにあった。求めていた主な条件は3つ。TwitterのAPIを介して移行できるツール、オープンな標準規格への準拠、そして将来導入するツールと簡単に統合できる拡張性だ。

 最終的にハート氏は、ソーシャルキャストが提供する企業向けコラボレーション・ソフトウェア「Socialcast」を選択した。使い勝手のよさとトラブル対応の容易さが決め手になったという。

 Socialcastの導入により、社員は必要な情報だけを選んで入手できるようになったとハート氏は話した。同ソフトウェアは、人やプロジェクト、システム・アラートのステータスを“フォロー”できる機能を持つ。対象のステータスに変化があった場合は、フォローしているユーザーにだけ通知が送られるという仕組みだ。通知を受け取ったユーザーは、その内容に応じて必要なアクションを取ればよい。例えば、他部門とのプロジェクトに参加している社員は、一時的にその部門のステータスをフォローし、プロジェクト終了後はフォローを解除するといった使い方ができる。

 ランダムハウスのソーシャル・ツール導入の取り組みはまだスタートしたばかりの段階だが、この種のツールを導入した企業が決まって直面する課題や障壁については、すでにさまざまな教訓を得ることができたとハート氏は語る。ここからは、社員の先入観の払拭、適切な利用方法の啓蒙、導入効果の測定について同氏が得た教訓を紹介しよう。

(1)社員の先入観を払拭する

 ハート氏がSocialcastを少人数のグループに導入したとき、同ツールを“社内Facebook”と解釈した一部の社員から、「くだらない記事の投稿に使われ、業務の生産性が低下するのではないか」という疑問の声が上がったそうだ。

 このような先入観を払拭して利用を定着させるため、ハート氏は意図的な策を講じた。プロジェクトでのコミュニケーション強化が急務となっているグループにSocialcastを導入したのである。

 「社員に利用価値を感じさせなければ、ツールの利用定着には至らない。個人的に価値を見い出せないツールは、単なるデータ入力インタフェースとして使われるだけで、決して深くは利用されない」(ハート氏)

 コラボレーション・ツールのメリットを導入反対派に理解してもらうため、ハート氏は啓発にも力を入れた。Socialcastを遊び目的で使う社員の出現は、ハート氏にとっても懸念材料だった。そこで、同ツールの導入に際しては、Socialcastでの発言や行動はすべて上司にも見られている点を強調したという。

 これらの懸念が払拭されると、部門内での日々の出来事が可視化されるといったメリットが徐々に認知されるようになってきた。

 「企業ポータルがFacebook化したかのように、その日1日の業務に関する出来事を一覧できる。これがどれだけ便利なことか想像するのは難しくないだろう」(ハート氏)

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