CIO_ウルトラバナー

ウルトラバナー横テキストバナー

イベント紹介用テキストバナー

SNS/情報共有/コラボレーション

困難なソーシャル・メディアの統合

大人気テクノロジーにも踏み込むことのできない領域がある

2011/06/16

CIOはソーシャル・メディア内の最新情報と自社CRMシステムとの統合を望んでいるものの、そのためのツールはまだ十分に発達していない。

キム・S・ナッシュ ● text by Kim S. Nash

価値ある情報が得られてもデータベースの中核には届けられない

 消費者は「foursquare」アプリのチェックインを機能を利用し、会社の同僚は「Facebook」で顧客とチャット、周りではみんながツイートしている――。現代社会はどこもかしこもソーシャル・メディアまみれという様相を呈しているが、すべてがそうとはかぎらない。 

 ソーシャル・メディアが入り込んでいない領域の1つが、従来のCRMシステムである。マーケティング部門や営業部門はソーシャル・ネットワーキング・サイトからの顧客の取り込みに忙しいが、そこでの交流から派生する、潜在的価値を持つ情報のほとんどは、顧客データベースや分析システムの中核とは乖離したままなのだ。 

 CIOとしては、ソーシャル・メディアと自社CRMとの間の溝を埋め、マーケティングとセールスによりリッチで完全な顧客情報を提供したいところだが、そこでCRMという“サイロ”にはまりこんではいけない。シナボン、モーズ・サウスウェストグリルなどの専門レストランを展開するフランチャイザー、米国フォーカス・ブランズのIT担当副社長を務めるトッド・ミショー氏はこのように忠告した。 

 「さまざまなソーシャル・メディアの面倒を個別に見るようなことはしたくない。同じ顧客が重複して登録されていることもままあるのだから」(ミショー氏) 

 広告・コミュニケーション企業、マッキャン・ワールドグループでは、従業員がクライアントとソーシャル・メディアで交流することを推奨している。しかし、グローバルCIOのグレッグ・スミス氏によれば、同社においてもCRMアプリケーション/データベースと「Twitter」およびFacebookとの本格的な連携は今後の課題だという。 

 「現段階では、クライアントとどのように交流したのかは従業員の判断でファイルに記録させ、その情報を頼りにしている」(スミス氏)

未成熟な市場、プロプライエタリなAPI群など問題は多い

 いわゆる“ソーシャルCRM”と呼ばれるソフトウェアのベンダーは、自社製品をより成熟したシステムに統合しようと先を争っていると、アルティメーター・グループのアナリスト、ジェレマイア・オウヤン氏は指摘する。例えば、ソーシャル・メディアのモニタリング・ソフトを手がけるラディアン6の製品はデルやコムキャストといった大企業で採用されているが、同社は最近、「Salesforce.com」との統合化機能を追加した。こうした取り組みの有効性は、オラクルが自社のCRMソフトに採用した事例により実証されている。この統合化機能を使えば、ユーザーは指定したキーワードやタグに関するオンライン上の会話を閲覧して、追跡管理のためにそれらを担当者に転送したり、即座に顧客の対応をしたりすることが可能になる。アクションはすべて、Salesforce.comの顧客記録に関連付けられたうえで保存される。しかし、「各ベンダーが異なるAPIを提供しているため状況はかなりやっかいだ」と、オウヤン氏は話した。2007年にはグーグルがソーシャル・ソフトウェア構築のための共通API群「OpenSocial」をリリースしたが、主要ベンダーによる採用には至っていない。抵抗勢力には独自APIを推奨するFacebookがある。 

 ギガ、ジャンラインなどが提供するソーシャル・サインイン・ツールを利用すれば、1つのソーシャル・ネットワークにログインすることで別のサービスへのログインも認証される。オウヤン氏によると、これで複数のソーシャル・メディア・サイトからのデータ収集が容易になるというが、データの解析は企業のCRM/BIシステムとは切り離して行わなければならない。そのため、IT部門が企業システム用インタフェースを独自に構築しているのが現状だ。 

 「FacebookやTwitterの最新情報が自動的にCRMに流れ、探したい情報が抽出できるようになるのが理想だ」とマッキャンのスミス氏は述べる。しかし、今日のテクノロジーは「まだそこまで至っていない」のだ。

go_to_top

ページの先頭へ戻る