手厚いサポート体制で日本でのサービスを拡大
バンガロールのウィプロ本社。ここに、全世界からITプロジュクトのベスト・プロクティスが次々と集約されている。
ウィプロ・リミテッド(以下、ウィプロ)は、石鹸や食用油といった一般消費財の製造・販売からコンピュータ市場への進出を果たし、成功を収めた異色の企業である。ITサービスの総売上高はインド国内第3位。今や、インドのトップ・ベンダーの1社として認知されている。
特に、日本市場での実績では頭ひとつ抜けた存在で、2005年は売上高で5,000万ドルの大台を初めて突破。2006年には6,500万ドルを目指すという。
そんな同社の日本でのビジネスを支えているのが、日本人コンサルタントから成るJDC(Japan Development Center)と、日本語教育を施したインド人スタッフから成るJSBU(Japan Strategic Business Unit)という2つのユニットの連動によって提供される手厚いサポートである。
JDCが顧客との接点を担い、JSBUは、インド本国の開発者との“ブリッジ”として機能する──このアプローチが、ウィプロならではの強みとなっている。
驚異のスピード導入を支える品質管理のノウハウ
三洋電機、オリンパスの海外拠点におけるSAPシステムのスピード導入を達成したSAPプラクティスリーダーのサマール・グプタ氏。
ウィプロの技術力の高さを端的に物語るのが、ERPパッケージの導入プロジェクトにおける驚異的なスピードである。同社は、過去に三洋電機、オリンパスといった日本の大手メーカー向けに、海外拠点でのSAPシステムの一斉導入を手がけた経験を持つが、プロジェクトに費やした期間は、前者が5カ国/8拠点に対して12カ月間、後者が中国国内の4拠点に対して100日間と、圧倒的に短い。
その最大の秘訣は、同社の品質管理のノウハウにある。同社は、CMMI(Capability Maturity Model Integration)、シックスシグマ、ISO9000といった標準フレームワークはもとより、日本のトヨタが編み出したリーン生産方式のメカニズムまでをも、ソフトウェア・プロジェクトに取り入れ、継続的に品質向上へ向けた取り組みを進めているのだ。
そのうえ、世界各地で実施されているプロジェクトの成果を集約し、その結果を全社で共有するための独自のインフラも整備済みだ。
1980年代の日本の製造業を彷彿とさせる品質へのこだわりが、同社の原動力となっている。
充実の教育システム
本社敷地内に設けられた教育施設からは、遠隔地の社員のために、ビデオ会議システムを活用したオンライン講座も提供されている。
また、ウィプロの本社内には、社員が最新の技術動向にいつでもアクセスできるよう、図書ライブラリや自習室などの教育施設が豊富に設けられている。まるで大学を思わせる大型の講義室もあり、定期的に授業が開催されている。担当プロジェクトが一段落すると、技術者たちは、ここで新たな知識を吸収し、次のプロジェクトへと向かう。
また、地理的に離れた拠点で働く社員のために、ビデオ会議システムを用いたオンライン講座も定期的に開催している。
組織の整備とノウハウの共有、それから教育の徹底──これら3つの取り組みが、品質重視のウィプロの社風を形づくっている。■
